セッション情報 一般演題

タイトル 046:

術前mFOLFOX6+Bmab療法を行い根治切除し得た進行直腸癌の1例

演者 小山 正三朗(佐世保中央病院 外科)
共同演者 橋本 泰匡(佐世保中央病院 外科), 草場 隆史(佐世保中央病院 外科), 重政 有(佐世保中央病院 外科), 佐々木 伸文(佐世保中央病院 外科), 梶原 啓司(佐世保中央病院 外科), 碇 秀樹(佐世保中央病院 外科), 國崎 忠臣(佐世保中央病院 外科), 米満 伸久(佐世保中央病院 病理部), 松村 雅人(佐世保中央病院 外科)
抄録 症例は52男性。体重減少(-22kg/18ヵ月)と便通異常を主訴に当科受診された。下部消化器内視鏡検査でRsを主座とする進行直腸癌(tubular adenocarcinoma, Kras:wild, EGFR不明)を認めた。造影CTでは明らかな壁外浸潤は評価できなかったが骨盤内を占拠するよう病変を認めた。遠隔転移を認めてないがリンパ節(#253)転移が疑われた。診断は局所進行直腸癌(stageIIIb)で根治切除が難しいと判断し化学療法mFOLFOX6+Bmabを施行した。重篤な有害事象はなく4コースを終了した時点で自覚症状の改善が著明であり、画像検査でも腫瘍の著明な縮小とリンパ節縮小を認めた。この時点で化学療法の効果判定はPR、根治切除可能と判断し、手術:低位前方切除術(D3郭清)を施行した。術中所見では癒着は軽度であり、他臓器浸潤は認めなかった。手術はR0, CurA。病理結果は、Rs, type2, 54×28mm, pSS, tub1>tub2, ly0, v0, pN1(1/16:#251), pPM(70mm), pDM(45mm)、fStage IIIaであった。現在、術後補助化学療法:5-FU+l-LV療法を行っている。近年、FOLFOXやFOLFIRIなど新規抗癌剤の組み合わせ、また分子標的治療薬の登場で根治切除不能の大腸癌が切除可能となる症例が増えてきている。外科的治療に関して高度進行直腸癌の症例では、術前化学療法により根治切除という面だけでなく、自律神経温存や肛門機能温存など術後のADLを低下させないことが可能になってきている。本症例も術前根治的切除困難と思われたが、化学療法(mFOLFOX6+Bmab)が著効し根治切除し得た1例を経験したので報告する。
索引用語 直腸癌, 化学療法