セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 066:Sequential療法によってHBs抗体を獲得したB型慢性肝炎の1例 |
演者 | 森田 恭代(清和会長田病院 消化器内科) |
共同演者 | 井出 達也(久留米大学内科学講座消化器内科部門), 永田 務(清和会長田病院 消化器内科DELIMITER久留米大学内科学講座消化器内科部門), 下津浦 康隆(清和会長田病院 消化器内科DELIMITER久留米大学内科学講座消化器内科部門), 増田 淳也(久留米大学内科学講座消化器内科部門), 安倍 満彦(久留米大学内科学講座消化器内科部門), 古波倉 允(清和会長田病院 消化器内科), 桑原 礼一郎(久留米大学内科学講座消化器内科部門), 長田 英輔(清和会長田病院 消化器内科), 佐田 通夫(久留米大学内科学講座消化器内科部門) |
抄録 | 【症例】35歳 女性【家族歴】母、姉がCH-B、ともにHBeAg/HBeAb: -/+ IFN治療歴なし、母は2012年HCC発症【既往歴】特記すべき事項なし【現病歴】2002年25歳時に近医より肝障害の精査加療目的で紹介受診された。 AST49IU/L、 ALT70IU/l、 PLT32万、Alb 3.6g/dl、HBeAg+ HBeAb- HBV DNA(PCR)7.5 Logコピー/ml、HBV genotype Cであった。IFN治療を再々勧めるも就職したばかりであることを理由に拒否されたため natural seroconversion を期待して経過観察していた。しかし2005年12月より肝機能の増悪とAFPの上昇(1440ng/ml)、肝予備能の低下を認めた。肝庇護剤を投与開始したが、2006年8月血小板10.9万、PT44%とさらに低下したため 9月より核酸アナログ製剤を投与開始した。 開始直前HBV DNAは6.9Log copies/mlであった。その後肝機能は徐々に改善し、2008年3月にHBV DNAは検出せずとなり、2009年9月にseroconversionを認めた。2010年6月以降HBVコア関連抗原も<4.0LogU/mlが持続し、2012年3月にはHBsAg量も57IU/mlと低下したため 2012年6月7日よりsequential 療法(peg-IFNα2a 180μgを24週間)を開始した。【経過】Sequential 療法中、特に副作用は認めず、肝機能は基準値内で推移した。HBV DNAも検出せずのままで経過し、HBVコア関連抗原は3.5-3.7LogU/ ml、 HBsAg量はさらに低下してSequential 療法終了時には0.00 IU/mlとなった。さらに終了3ヶ月後にはHBs抗体を獲得した。【結論】 Sequential 療法でHBsAgは陰性化し、HBs抗体を獲得できた1例である。HBVコア関連抗原のみならずHBsAg量が低下した時期にsequential 療法を行ったことが治療効果をあげた一因と考えられた。 |
索引用語 | sequential 療法, HBs抗体 |