セッション情報 |
専修医発表(卒後3-5年)
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タイトル |
専70:Reduced Port Surgeryにより切除し得た膵Solid-pseudopapillary neoplasmの1例
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演者 |
菊池 祐太(産業医科大学病院第一外科) |
共同演者 |
柴尾 和徳(産業医科大学病院第一外科), 佐藤 典宏(産業医科大学病院第一外科), 日暮 愛一郎(産業医科大学病院第一外科), 山口 幸二(産業医科大学病院第一外科) |
抄録 |
【はじめに】腹腔鏡下手術は、開腹手術と比較し低侵襲であり、整容面でも優れていることを利点としている。現在では、単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術に代表されるように従来の腹腔鏡下手術よりも少ないportで行うReduced Port Surgery(以下RPS)も行われるようになってきた。膵Solid-pseudopapillary neoplasm(以下SPN)は若年女性に好発する低悪性度の稀な膵腫瘍で、治療の原則は外科的切除である。病変が体尾部に存在する場合、体尾部切除術が選択されるが、RPSによる切除例の報告は少ない。今回我々は、TANKO+2portのRPSにより切除し得た膵SPNの1例を経験したので報告する。【症例】69歳女性。子宮内膜異型増殖症で当院婦人科を受診した際に、腹部CTにて膵尾部に35×24mm大の隔壁を有する多房性嚢胞性腫瘤を指摘された。辺縁や隔壁の一部に石灰化を認め膵SPNが疑われた。当院婦人科での手術後、膵腫瘤に対する手術目的に当科紹介受診し、平成25年6月TANKO+2portのRPSによる腹腔鏡下脾合併膵体尾部切除術を施行。手術時間は4時間20分、術中出血量は5gであった。術後の病理学的検査で、淡明~弱好酸性の細胞を有する上皮細胞が充実性シート状に増殖し、一部に偽乳頭状構造を認めたため膵SPNと診断した。術後経過は良好で、膵液漏などの合併症もなく術後7日目に食事を開始し、術後14日目に退院した。【考察】RPSによる膵体尾部切除術の報告例は数少ないが、従来の腹腔鏡下手術と比較し、より整容面に優れ、安全に施行し得たため報告する。 |
索引用語 |
膵Solid-pseudopapillary neoplasm, Reduced Port Surgery |