セッション情報 専修医発表(卒後3-5年)

タイトル 専12:

原発性十二指腸腫瘍6例の検討

演者 福田 明子(健康保険諫早総合病院外科)
共同演者 馬場 雅之(健康保険諫早総合病院外科), 持永 浩史(健康保険諫早総合病院外科), 飛永 修一(健康保険諫早総合病院外科), 小松 英明(健康保険諫早総合病院外科), 村岡 昌司(健康保険諫早総合病院外科), 山口 広之(健康保険諫早総合病院外科), 君野 孝二(健康保険諫早総合病院外科), 中島 正洋(長崎大学大学院医歯薬総合研究科原研病理)
抄録 【はじめに】十二指腸に発生する腫瘍性病変は、全消化管腫瘍の0.3~0.5%と比較的まれであり、切除術式や化学療法について他の消化器腫瘍のように確立されたものはないのが現状である。今回われわれは、当院で経験した乳頭部腫瘍を除く原発性十二指腸腫瘍症例について検討を行った。【対象】2007年4月から2013年3月までの6年間に当院で経験した6例を対象とした。【結果】男性3例、女性3例、診断時平均年齢は71.0歳(61~88歳)であった。占拠部位は十二指腸球部(第1部)1例、下行部(第2部)3例、水平部(第3部)1例、上行部(第4部)1例であった。発見の契機としては内視鏡検診異常が2例、上腹部痛1例、閉塞性黄疸1例、黒色便1例、動悸1例であった。組織型は腺癌3例、カルチノイド1例、GIST1例、不明1例と腺癌が最も多かった。治療内容としては膵頭十二指腸切除術2例、局所切除1例、内視鏡的粘膜剥離術(ESD)1例、胃空腸バイパス術1例であった。局所進行の1例に対してCDDP/S-1の化学療法を行った。有症状例では進行癌であることが多く、周囲臓器・大血管浸潤のため根治術は困難であることが多かったが、手術可能例では長期生存が得られていることもあり、全身状態や基礎疾患を十分に考慮して治療内容を決定することが重要と思われた。今回当院で経験した原発性十二指腸腫瘍について若干の分権的考察を加えて報告する。
索引用語 十二指腸腫瘍, 治療