セッション情報 | ワークショップ3「進行肝細胞癌診療の現状と問題点」 |
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タイトル | WS3-09:当科における肝外転移を伴う進行肝癌に対する集学的治療:5FU+カルボプラチンによる全身化学療法の有用性について |
演者 | 阿南 章(福岡大学消化器内科) |
共同演者 | 平野 玄竜(福岡大学消化器内科), 岩田 郁(福岡大学消化器内科), 土屋 直壮(福岡大学消化器内科), 國本 英雄(福岡大学消化器内科), 福永 篤志(福岡大学消化器内科), 櫻井 邦俊(福岡大学消化器内科), 横山 圭二(福岡大学消化器内科), 森原 大輔(福岡大学消化器内科), 竹山 康章(福岡大学消化器内科), 喜多村 祐次(福岡大学消化器内科), 入江 真(福岡大学消化器内科), 釈迦堂 敏(福岡大学消化器内科), 早田 哲郎(福岡大学消化器内科), 向坂 彰太郎(福岡大学消化器内科) |
抄録 | 【目的】進行肝癌の肝外転移に対する治療法は現在のアルゴリズムに従えばソラフェニブのみである。しかし、ソラフェニブは腫瘍の縮小効果に乏しく、無効例に対しての治療法は新たな分子標的薬の登場を待つしか無い。当科では、ソラフェニブの登場以前は遠隔転移を来した症例に対して5-FUとカルボプラチンによる全身化学療法を行ってきた。2009年からはソラフェニブ投与を開始したが、その無効例や副作用発現例に対しては全身化学療法を行っており、今回はこれまでの当科における治療成績について解析した。【方法】2000年1月から2013年4月までに当科に入院した肝外転移を来した進行肝癌患者のうち、全身状態:PS <2、Child-Pugh A or B、肝外転移発見から1ヶ月以上生存した81例を対象にした。全81例を全身化学療法群22例(化学療法群)と非施行群59例(非施行群)の2群に分け、患者背景、生存期間の比較検討を行った。また、化学療法群では予後因子や有害事象についても検討した。全身化学療法は5-FU(1000mg)を5日間持続投与しカルボプラチン(300~450mg)を3日目に投与した。非施行群は59例中15例にTACE、22例にリザーバー動注療法、4例に放射線治療、18例に緩和治療が行われた。【成績】転移を認めてからの生存期間中央値は化学療法群9.3ヵ月、非施行群5.1ヶ月と有意差を認めた(p<0.024)。予後因子に関する多変量解析では化学療法施行の有無と肝予備能が抽出された。また、2009年以降肝外転移を伴う症例に対するソラフェニブ単独療法群12例と、無効例に対する全身化学療法群5例との比較では、生存期間中央値はそれぞれ7.9ヵ月と10.0ヵ月であった(p<0.523)。【結論】肝外転移を伴う進行肝癌に対する集学的治療において、5-FUとカルボプラチンを用いた全身化学療法は生存期間延長に寄与し、またソラフェニブ無効例においてもセカンドレジメンとしての効果が期待できる。 |
索引用語 | 進行肝癌, 全身化学療法 |