セッション情報 | 研修医発表(卒後2年迄) |
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タイトル | 研63:膵癌、胆管癌の重複癌の1例 |
演者 | 辻 清和(健康保険諫早総合病院消化器内科) |
共同演者 | 高橋 孝輔(健康保険諫早総合病院消化器内科), 橋本 さつき(健康保険諫早総合病院消化器内科), 福島 昌典(健康保険諫早総合病院消化器内科), 田淵 真惟子(健康保険諫早総合病院消化器内科), 植原 亮平(健康保険諫早総合病院消化器内科), 大場 一生(健康保険諫早総合病院消化器内科), 田渕 聡(健康保険諫早総合病院外科), 飛永 修一(健康保険諫早総合病院外科), 小松 英明(健康保険諫早総合病院外科), 山口 広之(健康保険諫早総合病院外科), 中島 正洋(長崎大学原研病理) |
抄録 | 【症例】71歳女性【主訴】上腹部痛【現病歴】高血圧で近医を受診中、上腹部痛を主訴に当院へ紹介となり、腹部CTにて膵頭部の腫瘍が疑われ、精査目的で入院となった。【経過】採血にてT.Bil:1.4 AST:183 ALT:197 ALP:1611 γ-GTP:1073と上昇を認めた。造影CTでは膵管、胆管の拡張を認め、膵内胆管の狭窄部位に門脈相まで遷延する濃染像を認め、膵内胆管癌が疑われた。MRIでも胆管、膵管狭窄部に2cm程度の造影効果が遷延する部位を認め、膵内胆管癌が疑われたが、膵内胆管への浸潤を伴う膵癌の可能性は否定できなかった。診断、加療目的のため、ERCPを施行し、1回目のERCPでは胆管へのカニュレーションが困難であったため、膵管造影を行い、膵頭部に1.5cm程度の狭窄を認め、膵管ブラッシング細胞診の後、ENPDチューブを挿入し終了。後日、胆道ドレナージのため再治療を試み、ERBDチューブを挿入した。膵液細胞診にてclass5 adenocarcinomaの診断であったため、膵癌を疑い、治療として膵頭十二指腸切除術を施行。病理の結果は膵管内に異型上皮の乳頭状増生を認め、膵癌の所見であったが、別に総胆管間の粘膜上皮から連続して下層へ浸潤する腺癌を認め、膵頭部癌及び下部胆管癌の重複癌の診断であった。膵管、胆管ともに断端陽性であり、リンパ節転移も認めたが、由来が膵、胆管どちらのものかは鑑別不可能であった。膵頭部癌pT1N2M0 stage3 下部胆管癌pT2N2M0 stage3 fCurBの診断で、手術後GEM単剤による補助化学療法を6か月間施行。その後経過観察されたが、化学療法終了19ヵ月後のCTにて腹腔動脈、上腸間膜動脈根部周囲に軟部陰影の増大を認め、再発と考えられた。S-1内服併用の放射線療法を開始。現在は放射線治療が終了し、化学療法のみ継続中である。【考察】膵癌、胆管癌共に、各種臓器の重複癌の報告は散見されるが、両者の重複の報告は少なく、画像上鑑別が困難な症例にも遭遇する事があり、若干の文献的考察を含めて報告する。 |
索引用語 | 膵癌, 重複癌 |