セッション情報 一般演題

タイトル 101:

当院における胆嚢摘出術症例の検討

演者 松村 敏信(浦添総合病院消化器病センター外科)
共同演者 本成 永(浦添総合病院消化器病センター外科), 亀山 眞一郎(浦添総合病院消化器病センター外科), 伊志嶺 朝成(浦添総合病院消化器病センター外科), 伊佐 勉(浦添総合病院消化器病センター外科)
抄録 胆嚢炎の診療ガイドラインが発表され、急性胆嚢炎の早期手術が推奨されている。また、腹腔鏡下胆嚢摘出術が望ましいとされているが、胆道損傷などの偶発症の存在も指摘されている。当院にて緊急手術を行った胆嚢摘出術症例ならびに胆汁細菌培養について検討を加えたので報告する。2011年から2012年の2年間に、他の疾患と同時に施行された症例を除く323例の胆嚢摘出術を経験した。腹腔鏡下手術(LC)240例、開腹下手術(OC)83例(術中にLCからOCに移行した症例4例含む)。術前あるいは術中に得られた胆汁の細菌培養を施行したのは323例中132例135検体であった。48検体は術前ERCP検査で得られた胆汁、87検体は術中胆嚢穿刺等にて得られた胆汁であった。ERCP48検体中、培養陽性28検体(58.3%)、術中得られた87検体中、培養陽性49検体(56.3%)であった。323例中、急性胆嚢炎で緊急手術となったのは90例で、緊急LC施行症例は41例(2011年10例、2012年31例)、緊急OC施行症例は49例(2011年24例、2012年25例)と緊急LCが増加傾向にある。緊急OC症例のうちLCから移行した症例は2例でうち1例は胆管損傷による修復術のための開腹移行であり、1例は高度炎症のためであった(いずれも2011年症例)。緊急LCを行った41例中26検体に細菌培養を行い10例(38.5%)が陽性であった。緊急OCを行った49例中48検体に細菌培養を行い36検体(75%)が陽性であった。当院では急性胆嚢炎症例には積極的に早期胆嚢摘出術を行っているが、腹腔鏡下手術が増加傾向にある。胆汁細菌培養結果では開腹胆嚢摘出術症例に陽性例が多かった。
索引用語 急性胆嚢炎, 胆汁細菌培養