セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 098:十二指腸3D-CT(CT-duodenography)が進展度診断に有用であり、内視鏡的乳頭切除術を施行した十二指腸乳頭部腫瘍の1例 |
演者 | 藤森 尚(国立病院機構九州医療センター消化器内科・臨床研究センター) |
共同演者 | 河邉 顕(国立病院機構九州医療センター消化器内科・臨床研究センター), 隅田 頼信(国立病院機構九州医療センター消化器内科・臨床研究センター), 野崎 哲史(国立病院機構九州医療センター消化器内科・臨床研究センター), 鶴田 伸一(国立病院機構九州医療センター消化器内科・臨床研究センター), 山口 恵梨子(国立病院機構九州医療センター消化器内科・臨床研究センター), 中村 吏(国立病院機構九州医療センター消化器内科・臨床研究センター), 畑 佳孝(国立病院機構九州医療センター消化器内科・臨床研究センター), 大橋 朋子(国立病院機構九州医療センター消化器内科・臨床研究センター), 原口 和大(国立病院機構九州医療センター消化器内科・臨床研究センター), 麻生 暁(国立病院機構九州医療センター消化器内科・臨床研究センター), 國府島 庸之(国立病院機構九州医療センター消化器内科・臨床研究センター), 吉本 剛志(国立病院機構九州医療センター消化器内科・臨床研究センター), 福泉 公仁隆(国立病院機構九州医療センター消化器内科・臨床研究センター), 原田 直彦(国立病院機構九州医療センター消化器内科・臨床研究センター), 中牟田 誠(国立病院機構九州医療センター消化器内科・臨床研究センター), 松浦 秀司(国立病院機構九州医療センター放射線科), 伊藤 鉄英(九州大学病態制御内科) |
抄録 | 【はじめに】内視鏡的乳頭切除術(endoscopic papillectomy, EP)は乳頭部腺腫や腺腫内癌に対して根治治療となり得る有用な治療手技であるが、合併症発生率が高く、慎重な術前精査と適応決定が重要である。今回、巨大な十二指腸乳頭部腫瘍に対して、十二指腸3D-CT(CT-duodenography)を含めた術前精査を行い、EPを施行した1例を経験したので報告する。【症例】66歳、女性。スクリーニング目的の上部消化管内視鏡検査にて十二指腸乳頭部腫瘍を疑われ、精査加療目的に当科紹介となった。腹部症状はなく、肝胆道系酵素、膵酵素、腫瘍マーカーは全て正常範囲内であった。十二指腸鏡での観察では、表面結節状の隆起性病変が乳頭開口部から肛門側にかけて大きく発育しており、下端は下十二指腸角付近に存在していた。生検結果はadenomaであった。EUSにて乳頭部に低エコー腫瘤を認めるも、腫瘍径が大きく全体像描出は困難であった。EUS、ERCPにて明らかな胆管内、膵管内進展を示唆する所見を認めなかった。CT-duodenographyにて乳頭部腫瘍は35mm大の広基性病変として描出され、十二指腸壁外浸潤を認めなかった。内視鏡像と良く類似した画像が得られ、腫瘍の全体像把握が容易となった。十二指腸乳頭部腺腫の術前診断にてEPを施行、エンドカット・モードにて通電し、腫瘍を一括切除した。EP直後の出血に対してはバルーン圧迫で対処可能であり、胆管、膵管ステントを留置して終了した。第2病日に切除部からの出血を認め、焼灼止血した。軽症膵炎を発症するも保存的に軽快し、第12病日に軽快退院となった。最終病理はtubulovillous adenoma of intestinal-type, high gradeの診断であった。術後6ヶ月の時点で腫瘍の再発・遺残なく経過良好である。【考察】術前のCT-duodenographyにて病変自体の性状に加え、周囲臓器との位置関係も明瞭に描出された。EUS、ERCPなどの内視鏡検査を補完する上でも有用であり、治療方針決定の一助となった。若干の文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | 乳頭部腫瘍, CT-duodenography |