セッション情報 | 研修医発表(卒後2年迄) |
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タイトル | 研33:Wegener肉芽腫症に発症したアフタ性腸炎の一例 |
演者 | 田代 恭子(長崎大学病院 消化器内科) |
共同演者 | 高原 郁子(長崎大学病院 消化器内科), 井山 玲奈(長崎大学病院 消化器内科), 峯 彩子(長崎大学病院 消化器内科), 福田 浩子(長崎大学病院 消化器内科), 卜部 繁俊(長崎大学病院 消化器内科), 庄司 寛之(長崎大学病院 消化器内科), 橋口 慶一(長崎大学病院 消化器内科), 松島 加代子(長崎大学病院 消化器内科), 南 ひとみ(長崎大学病院 消化器内科), 赤澤 祐子(長崎大学病院 消化器内科), 山口 直之(長崎大学病院 消化器内科), 塩澤 健(長崎大学病院 消化器内科), 大仁田 賢(長崎大学病院 消化器内科), 磯本 一(長崎大学病院 消化器内科), 竹島 史直(長崎大学病院 消化器内科), 中尾 一彦(長崎大学病院 消化器内科) |
抄録 | 症例は34歳女性。鉄欠乏性貧血と大腸に多発する小隆起病変にて当科で経過観察中であった。200X年Wegener肉芽腫症と診断され、当院膠原病・リウマチ内科にてステロイド、免疫抑制剤(Tacrolimus)投与による加療が開始された。病状は安定しており、ステロイドを漸減中であった。200X+1年5月より下血が出現し、持続するため6月下旬に大腸内視鏡検査を施行された。検査にて炎症性ポリープは認めず、回腸末端から直腸にかけて血管透見性の消失、粘膜浮腫、多発するびらんを指摘された。病理組織検査では陰窩膿瘍の形成と杯細胞の減少を認め、血管炎の所見は認めなかった。検査後より排便回数が増加し、腹痛・肛門痛が出現したため精査、加療目的にて7月初旬に当科入院となった。入院後、絶食にて経過観察された。培養・血液検査にて感染症による腸炎は否定的であった。病理結果より潰瘍性大腸炎が疑われたため5-ASA製剤((Mesalazine)を開始された。その後、症状改善し、第12病日に施行した大腸内視鏡検査にて所見の改善を確認された。食事開始後も症状の再燃なく、経過良好なため第14病日に退院した。現在、外来にて経過観察中である。Wegener肉芽腫症には10~24%で腸病変を合併するとの報告されている。重篤なものであれば消化管穿孔に至る。病理結果にて血管炎を示さず潰瘍性大腸炎と類似した所見を認める症例も報告されており、鑑別が困難であるが、原疾患のため報告されたほとんどの症例がステロイド・免疫抑制剤投与にて加療されている。本症例ではステロイド漸減に伴い潰瘍性大腸炎が顕在化した可能性を考慮し、5-ASA製剤を追加使用したところ奏功した。今回、Wegener肉芽腫症に発症したアフタ性腸炎の一例を経験したため文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 | 潰瘍性大腸炎, Wegener肉芽腫症 |