セッション情報 専修医発表(卒後3-5年)

タイトル 専46:

敗血症性ショックと菌血症を呈した〈I〉Salmonella enteritidis〈/I〉腸炎の一例

演者 荒殿 ちほ子(済生会福岡総合病院 内科)
共同演者 吉村 大輔(済生会福岡総合病院 内科), 西原 佑一郎(済生会福岡総合病院 内科), 池田 浩子(済生会福岡総合病院 内科), 富田 洋介(済生会福岡総合病院 内科), 水谷 孝弘(済生会福岡総合病院 内科), 田中 琢磨(済生会福岡総合病院 内科), 下川 雄三(済生会福岡総合病院 内科), 明石 哲郎(済生会福岡総合病院 内科), 落合 利彰(済生会福岡総合病院 内科), 中村 和彦(九州大学病態制御内科学)
抄録 症例は2型糖尿病の基礎疾患を有する70歳代女性.嘔吐下痢と意識障害にて当院へ救急搬送された.来院時JCS10,収縮期血圧50mmHg台のショック状態であった.家族より搬送前日の朝に温泉宿で生卵を食し,前日の夕から頻回の水様下痢をきたしたとの病歴が得られた.検査所見では腎障害を認め高度の脱水による循環血漿量減少性ショックと考えられたが,大量輸液に血圧・尿量とも反応を認めず意識障害も遷延した.感染性腸炎によるショックと判断し,Surviving Sepsis Campaign 2012プロトコールに則りカテコラミンとヒドロコルチゾン200mg/日,経験的抗菌薬治療としてセフトリアキソン(CTRX)の投与,血糖コントロールを行い,入院から約25時間後にショックを離脱した.入院時に採取した便培養,血液培養からともに〈I〉Salmonella enteritidis〈/I〉が検出された.その後は急速に回復しCTRXは10日間の投与を行い第15病日に自宅退院となった.退院時に施行した便培養で〈I〉Salmonella enteritidis〈/I〉が少量認められたためキャリアの状態と判断し,レボフロキサシンを4週間追加で内服投与し陰性化を確認した.菌血症を呈するほどのSalmonella腸炎は稀であり,診断と治療の経過を報告する.
索引用語 Salmonella enteritidis, 敗血症性ショック