セッション情報 | 研修医発表(卒後2年迄) |
---|---|
タイトル | 研60:腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した胆嚢捻転症の一例 |
演者 | 眞田 雅人(公益社団法人鹿児島共済会 南風病院 消化器内科) |
共同演者 | 島岡 俊治(公益社団法人鹿児島共済会 南風病院 消化器内科), 新原 亨(公益社団法人鹿児島共済会 南風病院 消化器内科), 飯福 沙織(公益社団法人鹿児島共済会 南風病院 消化器内科), 馬場 由紀子(公益社団法人鹿児島共済会 南風病院 消化器内科), 社本 多恵(公益社団法人鹿児島共済会 南風病院 消化器内科), 豊田 真理(公益社団法人鹿児島共済会 南風病院 消化器内科), 岩木 宏介(公益社団法人鹿児島共済会 南風病院 消化器内科), 西俣 伸亮(公益社団法人鹿児島共済会 南風病院 消化器内科), 政 幸一郎(公益社団法人鹿児島共済会 南風病院 消化器内科), 田代 光太郎(公益社団法人鹿児島共済会 南風病院 消化器内科), 松田 彰郎(公益社団法人鹿児島共済会 南風病院 消化器内科), 仁王 辰幸(公益社団法人鹿児島共済会 南風病院 消化器内科), 西俣 嘉人(公益社団法人鹿児島共済会 南風病院 消化器内科), 堀 雅英(公益社団法人鹿児島共済会 南風病院 消化器内科), 西俣 寛人(公益社団法人鹿児島共済会 南風病院 消化器内科), 北薗 正樹(公益社団法人 鹿児島共済会 南風病院 外科・消化器外科), 末永 豊邦(公益社団法人 鹿児島共済会 南風病院 外科・消化器外科) |
抄録 | 症例は80歳代、女性。2013年4月、夜間から腹痛、背部痛を自覚し、朝になっても改善しないため、当科受診となった。理学的に心窩部に圧痛はあるも腹膜刺激症状は見られず、血液検査では軽度の炎症所見を認めるのみであった。腹部超音波検査にて、胆嚢結石は見られなかったが、胆嚢の緊満感のある著明な腫大と胆嚢壁の全周性肥厚がみられた。腹部造影CTでも同様の結果で急性胆嚢炎と診断し、経皮経肝胆嚢穿刺(percutaneous transhepatic gallbladder aspiration;PTGBA)を施行した。暗赤色の排液15mlが得られ、その後より症状は改善した。再度、腹部造影CTを診断したところ冠状断で胆嚢頚部の走行異常がみられた。また、胆嚢結石を認めないにも関わらず胆嚢全体の浮腫状変化が著明であったため胆嚢捻転症と診断し、腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した。胆嚢頚部が胆嚢の長軸方向に対して180度回転したGross 1型の完全型胆嚢捻転症であった。術後経過は良好で手術15日目に退院となった。胆嚢捻転症は胆道系疾患でも稀な疾患であり高齢で痩せた女性に多いなどの特徴的な疾患背景があるとされる。また、術前に診断するためには、画像所見にて著明な胆嚢腫大に胆嚢管の先細り様の途絶や渦巻き像の描出などがないかを念頭に置くことが重要である。本症例のようなGross 1型の完全型胆嚢捻転症は自然解除の可能性が低いため、早期診断を行うことができれば腹腔鏡下胆嚢摘出術の良い適応であると考えられる。今回われわれは術前に胆嚢捻転症と診断し、腹腔鏡下胆嚢摘出術を行った症例を経験したので、若干の文献的考察も含めて報告する。 |
索引用語 | 胆嚢捻転症, 腹腔鏡下胆嚢摘出術 |