セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 085:巨大肝嚢胞のドレナージにより診断に至った上部胆管癌の一例 |
演者 | 鈴木 俊幸(九州厚生年金病院 内科) |
共同演者 | 一木 康則(九州厚生年金病院 内科), 赤嶺 摩依(九州厚生年金病院 内科), 上平 幸史(九州厚生年金病院 内科), 飯田 真大(九州厚生年金病院 内科), 松尾 隆(九州厚生年金病院 内科), 小川 和弘(九州厚生年金病院 内科), 酒井 賢一郎(九州厚生年金病院 内科), 藤澤 聖(九州厚生年金病院 内科) |
抄録 | 症例は82歳男性。2009年10月の造影CTで肝門部に巨大肝嚢胞が認められ、2010年4月に当科へ紹介となった。単純性肝嚢胞と診断し、以後、半年ごとに外来で経過観察が行われた。2012年頃から肝門部の巨大肝嚢胞が徐々に増大し、次第に左肝内胆管の拡張も目立つようになった。巨大肝嚢胞による胆管の圧排が原因と考えられたが、黄疸がないことや高齢であることから経過観察となっていた。2013年2月頃より尿濃染を自覚し、近医での定期検査で黄疸と肝胆道系酵素の上昇を認めたため3月に当科へ紹介入院となった。入院時の腹部エコーでは、肝嚢胞径は14cm前後で嚢胞内は均一な無エコーを示し、結節や隔壁は認めなかった。左右肝内胆管の拡張を認めたが、エコーやCTでは肝門部の巨大嚢胞による圧排以外には明らかな胆管閉塞起点を指摘することができなかった。肝嚢胞の縮小による減黄が期待できると判断し、経皮的肝嚢胞穿刺吸引とMINO注入を行った。内容液の細胞診はclassIであった。しかし、その後も黄疸は改善せず、腹部エコーで上部胆管に腫瘤性病変の存在が疑われた。経皮的肝嚢胞持続ドレナージで嚢胞を更に縮小させた後の造影CTにて、上部胆管の狭窄と遷延性に増強される浸潤性の腫瘍が明らかとなった。ERCでは上部胆管に約1.5cm長の不整な胆管狭窄を認め、IDUSで狭窄部に充実成分を認めた。狭窄部の生検組織より腺癌と病理診断され、上部胆管癌による閉塞性黄疸の診断に至った。巨大肝嚢胞を縮小させることにより上部胆管癌の診断に至った一例を文献的考察を交えて報告する。 |
索引用語 | 肝嚢胞, 胆管癌 |