セッション情報 | 専修医発表(卒後3-5年) |
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タイトル | 専28:腹水貯留にて発症し、癌性腹膜炎様のCT像を呈したサルコイドーシスの1例 |
演者 | 稲益 良紀(産業医科大学医学部 第3内科学) |
共同演者 | 渡邊 龍之(産業医科大学医学部 第3内科学), 久米 恵一郎(産業医科大学医学部 第3内科学), 芳川 一郎(産業医科大学病院 内視鏡部), 日暮 愛一郎(産業医科大学医学部 第1外科学), 下川 秀彦(産業医科大学医学部 第2外科学), 原田 大(産業医科大学医学部 第3内科学) |
抄録 | 症例は、40歳代男性。2013年5月腹部膨満感、食思不振と発熱が出現した。近医を受診したところ、腹水を指摘され、細胞診はclass II で細菌培養は陰性であった。血液検査ではLDHが303 IU/l、可溶性IL-2受容体抗体が2588 U/ml と高値を示していたが、他にCEAやCA19-9を含めて特記すべき所見はなかった。上下部消化管内視鏡検査では明らかな異常はみられなかったが、CTエンテログラフィーで小腸壁全体に浮腫状肥厚を認めたため、同年6月当科に紹介入院となった。胸部CTでは、縦隔と右鎖骨上窩の多発リンパ節腫大を認めた。また腹部CTでは、小腸全体の壁肥厚に加え、腸間膜の多発微小結節と脂肪織混濁もみられ、ガリウムシンチグラフィーでは同部位に集積亢進像を認めた。癌性腹膜炎、悪性リンパ腫等を疑い、診断目的に当院外科にて腹腔鏡検査ならびに縦隔リンパ節生検を施行した。腹腔鏡検査では、壁側腹膜、小腸の腸間膜、腸管壁に癌性腹膜炎を思わせるような小結節がびまん性に付着していた。組織検査では、リンパ節、大網および腸間膜の結節は全て類上皮細胞肉芽腫が大部分を占め、Langhans巨細胞を伴っていたため、腹膜に病変が及んだサルコイドーシスと診断した。サルコイドーシスは原因不明の全身性肉芽腫性疾患であり、病変は肺、眼、心臓や皮膚などの全身の諸臓器に及ぶが、腹膜に病変が及ぶことは非常に稀である。今回、腹部症状により発症し、縦隔リンパ節生検と腹腔鏡検査にて、腹膜病変を伴ったサルコイドーシスと診断された一例を経験したため、文献的考察を含めて報告する。 |
索引用語 | サルコイドーシス, 腹膜病変 |