セッション情報 専修医発表(卒後3-5年)

タイトル 専23:

基礎疾患のないAA型消化管アミロイドーシスの1例

演者 長畑 誠修(九州大学病態機能内科学)
共同演者 長友 周三郎(九州大学病院), 前畠 裕司(九州大学病態機能内科学), 森山 智彦(九州大学病態機能内科学), 江崎 幹宏(九州大学病態機能内科学), 松本 主之(九州大学病態機能内科学), 北園 孝成(九州大学病態機能内科学), 一瀬 理沙(九州大学形態機能病理学), 熊谷 好晃(九州大学形態機能病理学), 平橋 美奈子(九州大学形態機能病理学)
抄録 症例は53歳、女性。2008年に施行された下部消化管内視鏡検査で異常は指摘されなかった。2013年1月より嘔吐、下痢が出現し、2月中旬に施行された血液検査でCr 4mg/dL程度の腎機能障害を指摘された。上・下部消化管内視鏡検査で、食道、横行~下行結腸に多発潰瘍を認め、生検でアミロイドーシスと診断されたため、精査加療目的で5月20日に当科紹介入院となった。当院で施行した上部消化管内視鏡検査では食道潰瘍は消失していたが、十二指腸に絨毛の軽度腫大・皺壁の鈍化を伴う粗造粘膜を認めた。バルーン小腸内視鏡検査では回腸に同様の所見を認めた。結腸の粘膜は粗造であったが潰瘍は消失ないし瘢痕化していた。十二指腸、回腸、結腸、直腸から生検を施行し、AA型アミロイドーシスと診断した。ごく軽度の炎症反応を認めることから二次性アミロイドーシスを疑い、基礎疾患の検索を行ったが、炎症性腸疾患はなく、多発性骨髄腫や関節リウマチなどの膠原病も否定的であった。以上より、AA型の原発性アミロイドーシスと考えた。全身状態良好であることから、外来で経過観察の方針として、6月9日退院となった。AA型アミロイドーシスは、慢性炎症をきたす炎症性腸疾患や膠原病、多発性骨髄腫などに続発することが多く、本症例のように基礎疾患のない原発性アミロイドーシスの症例はまれであるため報告する。
索引用語 消化管, アミロイドーシス