セッション情報 | 専修医発表(卒後3-5年) |
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タイトル | 専73:進行肝細胞癌に対する動注化学療法開始後にヘパリン起因性血小板減少をきたし留置カテーテル抜去を要した1例 |
演者 | 竹口 真隆(済生会熊本病院消化器病センター) |
共同演者 | 工藤 康一(済生会熊本病院消化器病センター), 平島 美幸(済生会熊本病院消化器病センター), 石貫 敬子(済生会熊本病院消化器病センター), 古賀 毅彦(済生会熊本病院消化器病センター), 齋藤 宏和(済生会熊本病院消化器病センター), 糸島 尚(済生会熊本病院消化器病センター), 藤山 俊一郎(済生会熊本病院消化器病センター), 須古 信一郎(済生会熊本病院消化器病センター), 門野 義弘(済生会熊本病院消化器病センター), 塩屋 公孝(済生会熊本病院消化器病センター), 村岡 正武(済生会熊本病院消化器病センター), 吉田 健一(済生会熊本病院消化器病センター), 上川 健太郎(済生会熊本病院消化器病センター), 上原 正義(済生会熊本病院消化器病センター), 江口 洋之(済生会熊本病院消化器病センター), 浦田 淳資(済生会熊本病院消化器病センター), 近澤 秀人(済生会熊本病院消化器病センター), 今村 治男(済生会熊本病院消化器病センター) |
抄録 | ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)は、ヘパリンの使用に伴う注意すべき合併症で、ヘパリン開始後に著明な血小板減少と全身の血栓症を発症する病態である。今回我々は、肝動注化学療法開始後にHITによる著明な血小板減少をきたしたが、早期診断と適切な治療により重篤な血栓症を合併することなく改善した1例を経験したので報告する。症例は63歳の女性。既往に重症肝炎の既往があり、その後フォローはされていなかった。右季肋部痛を主訴に来院し、CTにて肝右葉を中心に約9cm大の巨大肝細胞癌と肝内転移、門脈腫瘍栓を認めた。肝動注化学療法の適応と考え、リザーバーカテーテル埋め込みを行いlow dose FPでの肝動注化学療法を開始した。留置後6日目、血小板数21万→4.6万/μlと著明な低下を認めたため、HITを強く疑いヘパリン投与の中止、及びアルガトロバンによる治療を開始した。その際の検査にて、HIT抗体は強陽性であった。HITの治療開始後も血小板数の改善は乏しく、表在超音波検査では留置したヘパリン徐放性カテーテルの周囲に血栓が付着しており、カテーテルからの微量のヘパリン徐放がその原因と考えられた。やむなく留置カテーテルの抜去を行ったところ、その後血小板数の改善を認めた。その後、ワーファリンを導入後に退院し、外来にて経過観察中である。なお、動注療法は2回しか施行していないが、肝腫瘍は全て著明な縮小を認め、門脈腫瘍栓も消失した。 ヘパリンは消化器分野に限らず、非常に使用頻度が高い薬剤であるが、時にこの様な重篤な合併症を起こしうるということを念頭において治療にあたる必要がある。 |
索引用語 | ヘパリン起因性血小板減少, 肝細胞癌 |