セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 001:食道原発悪性リンパ腫の1例 |
演者 | 迫田 敏(藤元総病院) |
共同演者 | 山縣 美奈子(藤元総病院), 駒田 直人(藤元総病院), 佐藤 誠一(藤元総病院), 井上 輝彦(大悟病院), 大岐 照彦(大岐医院), 下田 和哉(宮崎大学内科学講座消化器血液分野) |
抄録 | 症例は81歳女性、平成24年8月に近医で検診目的の上部内視鏡検査を施行、切歯より26cmから32cmにかけて粘膜下腫瘍様の隆起性病変を認め、同部位からの生検でAtypical lymphoid cell(CD20陽性、MIB1陽性60%)を認めて精査目的で9月30日に当科初診となった。初診時、症状なく、表在リンパ節は触知しなかった。当院上部内視鏡検で切歯より26cmから32cmにgiant holds様の粘膜隆起を認めた。表層粘膜は、拡張した表在血管を認めるも正常粘膜で覆われており、超音波内視鏡で第2-3層に長径20mm大の境界明瞭な低エコーの腫瘍として認めた。病理学的検索を行い、Diffuse large B-cell lymphoma(DLBL)と診断した。CTは、胸部中部より下部食道にかけて全周性に壁肥厚を認めるも、縦隔リンパ節を含め胸部腹部でリンパ節腫大認めなかった。FDG‐PETは、食道で高集積をみとめるも他部位に集積を認めなかった。骨髄は、低形成で異型リンパは認めなかった。これらから食道原発悪性リンパ腫(DLBL)、stage1と診断して10月9日よりR-THP-COP療法(Rituximab 375mg/m3、Vincristine 1mg/m3、Pirarubicin 20mg/m3、cyclophosphamide 500mg/m3)を計6クール施行した。終了時の上部内視鏡検査で腫瘍は縮小したものの残存する病変を認め、PETで同部位に淡い集積を認めた。追加治療としてRituximab単独投与を2クール行いCRと判定した。消化管悪性リンパ腫は、全悪性リンパ腫の5~10%ほどの割合である。そのうち食道原発の悪性リンパ腫は1%以下といわれており、稀な疾患である。文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | 悪性リンパ腫, 化学療法 |