セッション情報 | 専修医発表(卒後3-5年) |
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タイトル | 専66:反復性膵炎の原因検索中に診断し得た微小主膵管型IPMN由来浸潤癌の1例 |
演者 | 三木 正美(九州大学大学院病態制御内科) |
共同演者 | 李 倫學(九州大学大学院病態制御内科), 五十嵐 久人(九州大学大学院病態制御内科), 立花 雄一(九州大学大学院病態制御内科), 内田 匡彦(九州大学大学院病態制御内科), 植田 圭二郎(九州大学大学院病態制御内科), 藤山 隆(九州大学大学院病態制御内科), 肱岡 真之(九州大学大学院病態制御内科), 新名 雄介(九州大学大学院病態制御内科), 相島 慎一(同 形態機能病理), 秋本 亮一(秋本病院), 田中 雅夫(同 臨床腫瘍外科), 高柳 涼一(九州大学大学院病態制御内科), 伊藤 鉄英(九州大学大学院病態制御内科) |
抄録 | 【背景】主膵管型膵管内乳頭部粘液性腫瘍(MD-IPMN)は悪性の頻度が60%以上とMalignant potentialの高い疾患であり、切除可能な症例では全例に外科的治療が推奨されている。一方で、主膵管拡張の程度、症状の有無、壁在結節の有無を含め明確な悪性の指標はいまだ示されていない。今回、我々は反復性膵炎の原因検索中に診断し得た、微小MD-IPMN由来浸潤癌の一例を経験したので報告する。【症例】56歳、男性。2012年3月より3回膵炎発作を反復し、いずれも保存的加療にて軽快したが、膵炎を繰り返す原因が特定できなかったため、精査目的に当科紹介となった。血中膵酵素上昇(リパーゼ125U/L, アミラーゼ 119U/L)を認めたがCEA, CA19-9は正常範囲内であった。腹部US・CTでは明らかな腫瘤性病変は指摘できず、病的膵管拡張も認めなかった。しかし、EUSでは頭部主膵管内に充満する4mm大の低エコー腫瘤を認めた。ERCPでもEUSと同様に軽度拡張した膵管内に充満する腫瘤を認め、同部位の擦過細胞診でclassVであった。膵癌(cStageI)の術前診断にて膵頭十二指腸切除術を施行し、術後診断はMD-IPMN with an associated invasive carcinomaであった。【考察】国際診療ガイドライン2012年版では画像による診断率向上のためにMD-IPMNを定義づける主膵管径は初版の10mm以上から>5mmに変更された。しかし、本症例のように主膵管内部に充実性成分が充満しているために膵管拡張が指摘出来ない例も存在するので、注意を要する。また、反復性膵炎症例ではCTやMRIで発見できない微小な浸潤癌が潜んでいる可能性があり、積極的にEUSやERCPを行うことで膵悪性疾患を早期に発見できる可能性があることが示唆された。 |
索引用語 | 主膵管型IPMN, 膵癌 |