セッション情報 ワークショップ4「炎症性腸疾患 最近の治療」

タイトル WS4-11:

炎症性腸疾患に対するReduced Port Surgery

演者 真鍋 達也(九州大学病院 臨床・腫瘍外科(第一外科))
共同演者 友杉 隆宏(九州大学病院 臨床・腫瘍外科(第一外科)), 中山 和典(九州大学病院 臨床・腫瘍外科(第一外科)), 前山 良(九州大学病院 臨床・腫瘍外科(第一外科)), 植木 隆(九州大学病院 臨床・腫瘍外科(第一外科)), 清水 周次(九州大学病院 臨床・腫瘍外科(第一外科)), 田中 雅夫(九州大学病院 臨床・腫瘍外科(第一外科))
抄録 [緒言]炎症性腸疾患(IBD)は若年者に多いため、整容性・在院期間短縮などの点から腹腔鏡手術(LAP)は良い適応であるが、近年さらなる整容性と低侵襲を期待してポート数を減らしたReduced Port Surgery(RPS)が行われつつある。[対象と目的]当院では2010年以降特に若年者のIBDに対してRPSを開始し、現在までクローン病(CD)6例、潰瘍性大腸炎(UC)7例の13例に施行した。今回はその手技と手術成績を報告する。[手術手技]臍部からマルチチャンネルポートを留置し、術式に応じて計画的にポートを1~2本追加した。UCでは手術操作範囲が広いため、必要に応じて3mm ポートやミニループリトラクターを追加した。[結果]CDの6例は平均年齢26歳(男/女1/5)、全例初回手術であった。狭窄型は5例で穿通型は1例であった。術式は回盲部切除3例、小腸部分切除2例、結腸亜全摘1例で、ポート数は単孔2例、2孔4例であった。平均手術時間302分、平均出血量157g、平均小開腹創長4.5cm、平均術後在院期間は11.6日、術後合併症を認めず、同時期のLAPと比較して遜色ない結果であった。UCの7例は全例待機手術であり、平均年齢27歳(男/女3/4)、術式は全例大腸全摘・回腸嚢肛門吻合で一時的回腸人工肛門を造設した。ポート数は2孔2例、3孔5例であった。平均手術時間594分、平均出血量216g、平均術後在院期間は25.4日、Grade3(Clavien-Dindo分類)の合併症を1 例に認めた。同時期のLAPと比較して手術時間が延長しており、手技の工夫が必要と思われた。一方CD・UCともに整容性は優れていると思われた。[結語]IBDに対するRPSは整容面に優れており、若年者に有用な術式と思われる。一方、症例によっては手術時間が長く、症例選択や手技向上が必要である。
索引用語 炎症性腸疾患, 腹腔鏡手術