セッション情報 | シンポジウム1「高齢者に対する消化器病診療と今後の展望(消化管、肝胆膵)」 |
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タイトル | S1-09:高齢者におけるVTTQを用いた肝脾硬度測定による肝線維化進展の予測 |
演者 | 加茂 泰広(長崎大学病院消化器内科) |
共同演者 | 木下 梨華子(長崎大学病院消化器内科), 園田 悠紀(長崎大学病院消化器内科), 原口 雅史(長崎大学病院消化器内科), 高木 裕子(長崎大学病院消化器内科), 内田 信二郎(長崎大学病院消化器内科), 妹尾 健正(長崎大学病院消化器内科), 吉村 映美(長崎大学病院消化器内科), 柴田 英貴(長崎大学病院消化器内科), 本田 琢也(長崎大学病院消化器内科), 三馬 聡(長崎大学病院消化器内科), 田浦 直太(長崎大学病院消化器内科), 市川 辰樹(長崎大学病院消化器内科), 鳥山 寛(長崎原爆病院 病理部), 中尾 一彦(長崎大学病院消化器内科) |
抄録 | 【目的】Virtual Touch Tissue Quantification (VTTQ)は、慢性肝炎における線維化の進行度を非侵襲的に数値化し、肝線維化の予測に有用との報告が多くなされている。高齢者において、合併疾患のため抗凝固療法を行われている症例が散見され、肝組織進展度の判断に、肝生検に変り非侵襲的検査が必要であるも、高齢者での有用性は定かでない。本研究では、高齢者においてVTTQによる肝脾硬度測定が肝線維化進展度、門脈圧亢進の有無について、予測が可能か検討した。【方法】当院にて2012年5月~2013年7月までVTTQを用いて肝脾硬度測定を行った各種慢性肝疾患症例の内、65歳以上の高齢者102症例を対象とした。同症例の内、肝生検もしくは切除標本にて病理学的な線維化の評価が可能であった47症例については肝線維化の程度と肝脾硬度との検討を行った。また、全症例に対して肝脾硬度と各種生化学検査、CT画像を用いたspleen index、脾静脈径との関連を検討した。更に門脈圧亢進との関連の検討として静脈瘤、腹水、脳症(既往)の有無、程度との検討も行った。【結果】全症例の平均値は肝硬度1.74±0.66、脾硬度3.02±0.50であった。病理学的な線維化の程度と肝硬度、脾硬度の間に有意な相関を認めた。血小板(R=-0.294)、アルブミン(R=-0,392)とは負の相関、4型コラーゲン(R=0.649)、ヒアルロン酸(R=0.263)、静脈瘤の程度(R=0.421)とは正の相関を認めた。脾硬度とspleen index(R=0.456)、脾静脈径(R=0.341)との間にも有意な相関を認めた。【考察】高齢者においてVTTQによる肝脾硬度測定は、肝線維化進展度及び門脈圧亢進の有無について予測が可能であった。VTTQによる肝線維化進展度及び門脈圧亢進の予測は、侵襲的検査が困難な症例が多い高齢者にも有用であると考えられた。 |
索引用語 | VTTQ, 門脈圧亢進症 |