セッション情報 | 研修医発表(卒後2年迄) |
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タイトル | 研11:Infliximab投与によりGBSを発症したクローン病の1例 |
演者 | 阿南 悠平(国立病院機構九州医療センター 消化器科) |
共同演者 | 山口 恵梨子(国立病院機構九州医療センター 消化器科DELIMITER国立病院機構九州医療センター 臨床研究センター), 柿ヶ尾 佳奈(国立病院機構九州医療センター 消化器科DELIMITER国立病院機構九州医療センター 臨床研究センター), 畑 佳孝(国立病院機構九州医療センター 消化器科DELIMITER国立病院機構九州医療センター 臨床研究センター), 原口 和大(国立病院機構九州医療センター 消化器科DELIMITER国立病院機構九州医療センター 臨床研究センター), 麻生 暁(国立病院機構九州医療センター 消化器科DELIMITER国立病院機構九州医療センター 臨床研究センター), 隅田 頼信(国立病院機構九州医療センター 消化器科DELIMITER国立病院機構九州医療センター 臨床研究センター), 原田 直彦(国立病院機構九州医療センター 消化器科DELIMITER国立病院機構九州医療センター 臨床研究センター), 森 興太(国立病院機構九州医療センター 脳血管神経内科DELIMITER国立病院機構九州医療センター 臨床研究センター), 國場 和仁(国立病院機構九州医療センター 脳血管神経内科DELIMITER国立病院機構九州医療センター 臨床研究センター), 楠元 英次(国立病院機構九州医療センター 外科DELIMITER国立病院機構九州医療センター 臨床研究センター), 池尻 公二(国立病院機構九州医療センター 外科DELIMITER国立病院機構九州医療センター 臨床研究センター), 桃崎 征也(国立病院機構九州医療センター 病理部DELIMITER国立病院機構九州医療センター 臨床研究センター), 中山 吉福(国立病院機構九州医療センター 病理部DELIMITER国立病院機構九州医療センター 臨床研究センター) |
抄録 | 【はじめに】Guillan-Barre症候群(GBS)は急性の運動麻痺をきたす炎症性脱髄性ニューロパチーである。今回、抗TNF-αモノクローナル抗体製剤Infliximab投与によりGBSを発症したクローン病の1例を経験したので報告する。 【症例】20歳男性。20XX年10月に腹痛精査のため当院消化器科を受診、小腸X線検査で遠位空腸・回腸に多数の狭窄・偽憩室様変形・敷石状変化を散見し、下部消化管内視鏡でアフタ・潰瘍瘢痕を散見、盲腸・直腸の生検で非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認め、クローン病と診断し加療を開始。5-ASA・成分栄養剤にて通院加療されていたが徐々に炎症反応が上昇したため、翌年5月よりInfliximab 260 mg/body 投与開始された。計3回投与し、初回投与75日後、大腿部の筋力低下が出現。歩行・立ち上がりはかろうじて可能、階段は手で支えないと不可能であった。次第に症状増悪し、同年8月(初回投与78日後)当科入院。下肢の対称性の筋力低下を認め、腱反射消失しており異常反射なく末梢神経障害が考えられた。Infliximab誘発性GBSと診断し、免疫グロブリン静注療法・ステロイドパルス療法の併用での加療を開始した。入院後は下肢の筋力低下が進行し臥位での下肢挙上が困難となったが、入院14日目以降、症状は改善傾向であった。また上肢筋力低下や呼吸障害、嚥下障害は認めなかった。入院24日目より腹痛が出現し増悪。狭窄に伴う通過障害を考え絶食とするも、29日目に腹痛増強・発熱出現。造影CTにて腸閉塞所見を認め、44日目に腹腔鏡補助下小腸部分切除術施行、病理では全層性に炎症所見が存在し、肉芽腫が散見された。術後経過は良好であり、5-ASA・成分栄養剤内服再開。入院57日後に退院し、リハビリ病院へ転院した。 【結語】Infliximab投与によるGBSをきたしたクローン病の1例を経験したので、文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 | Infliximab, Guillan-Barre症候群 |