セッション情報 ワークショップ2「消化器がんの薬物療法」

タイトル WS2-06:

ステント留置後の切除不能高度進行大腸がんに対してベバシズマブ併用化学療法を行った4例の検討

演者 隅田 頼信(九州医療センター消化器科DELIMITER九州医療センター臨床研究センター)
共同演者 鶴田 伸一(九州医療センター消化器科DELIMITER九州医療センター臨床研究センター), 野崎 哲史(九州医療センター消化器科DELIMITER九州医療センター臨床研究センター), 中村 吏(九州医療センター消化器科DELIMITER九州医療センター臨床研究センター), 山口 恵梨子(九州医療センター消化器科DELIMITER九州医療センター臨床研究センター), 畑 佳孝(九州医療センター消化器科DELIMITER九州医療センター臨床研究センター), 藤森 尚(九州医療センター消化器科DELIMITER九州医療センター臨床研究センター), 原口 和大(九州医療センター消化器科DELIMITER九州医療センター臨床研究センター), 麻生 暁(九州医療センター消化器科DELIMITER九州医療センター臨床研究センター), 國府島 庸之(九州医療センター消化器科DELIMITER九州医療センター臨床研究センター), 吉本 剛志(九州医療センター消化器科DELIMITER九州医療センター臨床研究センター), 河邉 顕(九州医療センター消化器科DELIMITER九州医療センター臨床研究センター), 福泉 公仁隆(九州医療センター消化器科DELIMITER九州医療センター臨床研究センター), 原田 直彦(九州医療センター消化器科DELIMITER九州医療センター臨床研究センター), 中牟田 誠(九州医療センター消化器科DELIMITER九州医療センター臨床研究センター), 中村 和彦(九州大学病態制御内科)
抄録 2012年大腸悪性消化管狭窄に対して、姑息的あるいは術前の狭窄解除目的で内視鏡的ステント留置術が保険収載され、多くの施設で行われるようになった。しかし、ステント留置前後の化学療法の安全性は明らかとされていない。さらに、大腸癌の標準的な治療薬としてベバシズマブ(Bmab)の有効性は広く知られているが、一方でステント留置後Bmab併用化学療法が穿孔リスクを上げるとの報告もある。今回、我々は、切除不能進行大腸癌にステント留置後、Bmab併用化学療法をおこなった4症例を検討した。方法:2012年4月から2013年8月までの間に当科で治療をおこなった大腸癌症例で、穿孔等の危険性について十分説明し同意を取得した後、原発巣にステント留置しBmab併用化学療法をおこなった4例について、治療成績やステント関連偶発症について検討した。結果:男:女=1:3、年齢中央値(歳)61.5(51-63)、追跡期間中央値(範囲)は248(106-400)日、原発巣は下行:横行=1:3、レジメは、Bmab併用薬剤は、オキサリプラチンベース治療(OT)→イリノテカンベース(IT)治療が2例、OTが2例、留置前に化学療法あり:なし=1:3、ステント関連偶発症(穿孔、出血、逸脱)はなく、全例化学療法を継続中である。結語:当院では、閉塞症状を伴った大腸癌に対して原則的に切除後化学療法の方針であるが、高度腹膜播種や腫瘍量が多く緩和的な化学療法を優先した6症例に、ステント留置後化学療法をおこなった。今回、Bmab併用化学療法を4例に行ったが、幸い、合併症は経験しなかった。閉塞症状を有するstageIV大腸癌においてステント留置後にBmab併用化学療法の安全性を明らかすることが期待される。
索引用語 ベバシズマブ, 大腸ステント