セッション情報 | 専修医発表(卒後3-5年) |
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タイトル | 専01:特に基礎疾患なく発症した急性壊死性食道炎の1例 |
演者 | 斉藤 勝俊(串間市民病院 内科) |
共同演者 | 中西 千尋(串間市民病院 内科), 宮原(旧姓平田) 晶子(串間市民病院 内科DELIMITER宮崎大学 血液消化器病学), 高屋 剛(串間市民病院 内科DELIMITER宮崎大学 第1外科), 井上 龍二(串間市民病院 内科), 宮田 義史(市民の森病院 消化器科), 黒木 和男(串間市民病院 内科) |
抄録 | 【症例】44歳、男性。【主訴】心窩部痛、吐血。【生活歴】喫煙歴:なし、アルコール:常習飲酒家。【既往歴】高血圧症、アルコール性肝炎にて近医通院中。平成20年4月飲酒後のマロリーワイス症候群で入院歴あり。【現病歴】平成25年1月ごろから胸焼けを自覚していたが放置していた。同年5月ごろより500mlの缶ビール数本を毎日飲酒していた。同年6月19日より心窩部痛が出現、同20日早朝コーヒー残渣様の液体を嘔吐したため当院救急外来を受診した。【検査所見】末梢血ではWBC:25500/μlと著明に増多しており、Hb:13.9g/dlと軽度の貧血を認めた。また、AST:44IU/L、ALT:42IU/L、LDH:348IU/L、BUN:20.4mg/dl、Cre:1.23mg/dlと肝機能障害・腎機能障害を認め、CRP:1.12mg/dlと軽度の炎症反応も認めた。【入院後経過】緊急内視鏡にて中下部食道に全周にわたるびらんを認め、さらにEGJ周囲の食道粘膜は黒色に変色しておりその周囲からoozing bleedingを認めた。急性壊死性食道炎と診断し、絶食・補液、PPI静注、抗生物質投与にて経過を見たところ、同年7月5日の内視鏡検査では食道の所見は改善し黒色粘膜は消失していた。【考察】急性壊死性食道炎は糖尿病や慢性腎不全などの基礎疾患を有する症例が多く、吐血の原因としても重要な鑑別疾患の一つである。本症例においてはこれらの基礎疾患はなかったものの本疾患を発症した。その原因・発症機序について、若干の文献的考察をまじえ報告する。 |
索引用語 | 急性壊死性食道炎, 基礎疾患 |