セッション情報 | シンポジウム1「高齢者に対する消化器病診療と今後の展望(消化管、肝胆膵)」 |
---|---|
タイトル | S1-16:当院での高齢者急性膵炎症例の検討 |
演者 | 明石 哲郎(済生会福岡総合病院 内科) |
共同演者 | 立花 雄一(済生会福岡総合病院 内科), 田中 琢磨(済生会福岡総合病院 内科), 下川 雄三(済生会福岡総合病院 内科), 荒殿 ちほ子(済生会福岡総合病院 内科), 西原 佑一郎(済生会福岡総合病院 内科), 池田 浩子(済生会福岡総合病院 内科), 富田 洋介(済生会福岡総合病院 内科), 水谷 孝弘(済生会福岡総合病院 内科), 吉村 大輔(済生会福岡総合病院 内科), 落合 利彰(済生会福岡総合病院 内科) |
抄録 | 【目的】急性膵炎は一般に中高年に好発するが、社会の高齢化に伴い発症年齢の高齢化が認められている。高齢者の多くは合併症を有し、予備能も低く、重症例では予後不良であると報告されている。高齢者、非高齢者の膵炎の違いを明確にするため、当院での急性膵炎症例で検討を行った。【方法】2011年5月~2012年3月に入院した急性膵炎症例46例で膵炎の臨床的背景、治療について非高齢者(64歳以下)、前期高齢者(65-74歳)、後期高齢者(75歳以上)の3群でに分類し検討を行った。【結果】非高齢者は28例で平均40.2歳、男/女21/7、重症度(重症12、軽症16)、成因はアルコール19例、胆石5例、特発性3例、高脂血症1例、入院時平均Alb(g/dl)4.4、初期輸液は平均4067.9ml/日、食事開始は平均5.6病日、入院期間は平均12.1日、転帰は全例自宅退院であった。前期高齢者は7例で平均68.4歳、男/女3/4、重症度(重症3、軽症4)、成因はアルコール3例、胆石3例、特発性1例、入院時平均Alb3.7、初期輸液は平均3928.6ml/日、食事開始は平均7.0病日、入院期間は平均19.6日、転帰は自宅退院6例、転院1例であった。後期高齢者は11例で平均81.8歳、男/女6/5、重症度(重症2、軽症9)、成因はアルコール1例、胆石6例、特発性4例、入院時平均Alb3.8、初期輸液は平均2636.4ml/日、食事開始は平均5病日、入院期間は平均13.6日、転帰は自宅退院7例、転院3例、死亡1例であった。高齢者ではアルコール性の成因が少なく、胆石性が多かった。入院時のAlbは非高齢者では高値であった。食事摂取までの期間、入院期間は大きな違いを認めなかった。後期高齢者では重症例の割合は少なかったが、唯一死亡が認められた。心血管系の併存疾患を後期高齢者では45.5%に認め(非高齢者、前期高齢者は0%)、死亡例も心機能低下例であり、後期高齢者では初期輸液も少ない傾向であった。【結論】高齢者では併存疾患も多く、初期輸液が少ない傾向にあった。特に重症例ではモニタリングをしながら充分な輸液量を確保することが重要と考えられた。 |
索引用語 | 急性膵炎, 高齢者 |