セッション情報 | 一般演題 |
---|---|
タイトル | 007:IVRによる止血術が有効であった出血性胃管潰瘍の1例 |
演者 | 山下 兼史(福岡大学病院 消化器外科) |
共同演者 | 塩飽 洋生(福岡大学病院 消化器外科), 加藤 大祐(福岡大学病院 消化器外科), 高良 真一(福岡大学病院 放射線科), 松本 芳子(福岡大学病院 消化器外科), 山名 一平(福岡大学病院 消化器外科), 槇 研ニ(福岡大学病院 消化器外科), 谷村 修(福岡大学病院 消化器外科), 吉田 陽一郎(福岡大学病院 消化器外科), 武野 慎祐(福岡大学病院 消化器外科), 佐々木 隆光(福岡大学病院 消化器外科), 山内 靖(福岡大学病院 消化器外科), 星野 誠一郎(福岡大学病院 消化器外科), 乗富 智明(福岡大学病院 消化器外科), 山下 裕一(福岡大学病院 消化器外科) |
抄録 | 【症例】79歳・男性【現病歴】平成15年に食道癌(pStageII)に対して食道亜全摘胃管再建術(胸骨後経路)を施行された。平成20年に胃管内に出血性の潰瘍を認めたが、保存的加療にて軽快が得られた。以後、紹介医のもとで経過をみられていた。平成25年2月、胃管潰瘍の出血を再び認めたため、内視鏡的止血術が施行された。潰瘍が難治性であったため、精査加療目的で当科入院となった。【入院後の経過】入院後第4病日に、黒色の下血と血圧の低下を認めため、上部消化管内視鏡検査を施行した。胃管の小彎側に単発性の深掘れの潰瘍を認めた。潰瘍底から漏出性の出血を認めるも、明らかな露出血管は確認できなかった。潰瘍底を止血鉗子にて可及的に焼灼し、一旦は止血が得られた。第6病日の内視鏡検査では止血が得られていたが、第10病日に再度、下血と血圧低下を認めた。内視鏡的止血術は困難と判断し、緊急で血管造影検査による塞栓術を行った。血管造影では、右胃大網動脈の分枝より造影剤の血管外漏出を認めた。右胃大網動脈末梢までカテーテルの誘導が困難であったため、右胃動脈からの側副血行路を期待し、右胃大網動脈をヒストアクリルで塞栓した。その後は、再出血なく、第36病日に紹介医へ転院となった。【まとめ】IVRによる止血術が有効であった出血性胃管潰瘍の1例を経験したので報告した。出血性胃管潰瘍に対するIVRによる止血術は、我々が検索し得る限り国内外の報告は未だない。術後、十分に時間が経過した症例においては、主要血管の塞栓による止血術も選択肢の一つとなり得ることを示唆する貴重な症例と考えられた。 |
索引用語 | 胃管潰瘍, IVR |