セッション情報 一般演題

タイトル 019:

Imatinib内服にて治癒切除を施行し得た巨大胃GIST再発の一例

演者 廣石 和章(中津市民病院 外科)
共同演者 藤井 及三(中津市民病院 外科), 古澤 敬子(中津市民病院 外科), 上原 英雄(中津市民病院 外科), 岡田 敏子(中津市民病院 外科), 大場 太郎(中津市民病院 外科), 福山 康朗(中津市民病院 外科), 岸原 文明(中津市民病院 外科), 池田 正仁(中津市民病院 外科)
抄録 症例は62歳女性。2009年7月に巨大胃GISTに対して開腹下胃局所切除術を施行した(径13cm, high-grade risk)。術後にImatinibによる補助化学療法を開始したものの、有害事象により治療を中断し、その後来院しなかった。2011年1月に左横隔膜下に再発を認め、Imatinibの治療を勧められたが、これを希望しなかった。2012年1月に他院で腫瘍の増大(15cm径)を指摘され当科外来を紹介受診となった。Imatinibの内服を開始し、その後約5ヶ月で10cm径まで腫瘍の縮小を認めた。2013年5月のCTでも腫瘍径に変化を認めず、造影効果もほとんど認められなかったため、腫瘍はほぼ壊死に陥っているものと考えられた。また、PET-CTにても胃部分切除部位及び左横隔膜下の再発部位に明らかな集積は指摘できなかった。本人がImatinibの内服継続よりも手術を希望されたため、手術を行う方針とした。手術は開胸開腹下にて腫瘍切除及び脾摘を行った。腫瘍は頭側にて横隔膜と強固に癒着していたため、同部位にて横隔膜を一部合併切除した。摘出標本の重量は脾臓も含めて530gで、腫瘍は被膜に覆われており、脾臓との境界は明瞭であった。腫瘍内部は大半が黄色ゼリー状を呈しており、腫瘍の変性が示唆された。病理組織学的所見にて腫瘍の大部分は壊死性ないしは線維性変化をきたしており、ごく一部に腫瘍細胞を認めるのみで、治療効果判定はGrade 2bであった。術後経過良好にて退院となり、現在はImatinibの内服は行わずに外来にて経過観察中である。今回われわれは、Imatinibが著効し治癒切除が施行できた巨大な胃GIST再発の一例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 再発胃GIST, Imatinib