セッション情報 研修医発表(卒後2年迄)

タイトル 研12:

単孔式腹腔鏡下手術と術中内視鏡を併用してポリープ切除を施行したPeutz-Jeghers症候群の1例

演者 田崎  慎吾(久留米大学病院)
共同演者 赤木 由人(久留米大学病院), 衣笠 哲史(久留米大学病院), 岡 洋右(久留米大学病院), 溝部  智亮(久留米大学病院), 吉田 武史(久留米大学病院), 白水 和雄(久留米大学病院)
抄録 Peutz-Jeghers症候群(PJS)のポリープは過誤腫であるが,1cmを超えると腺腫や癌を合併する可能性が5%程度と言われ,内視鏡的切除が推奨されている.小腸ポリープも小腸内視鏡にて切除が可能となってきたが,腸閉塞や腸重積を合併した場合は手術適応である.今回,術前腸重積と診断され,腹腔鏡補助下に,術中内視鏡を併用しポリープ切除を施行したPJSの症例を経験したため文献的考察を含め報告する.症例は34歳の女性.腹痛認め,当院内科に受診した.腹痛は間欠的で右下腹部に約10cm大の腫瘤を触知し可動性は比較的良好であった.小腸造影にて回腸にカニツメ様所見を認め,同日のCTにてターゲットサインを伴う腸重積所見を認めたため手術となった.手術所見として,重積腸管はTritz靭帯より約1mで可動性良好のため同部を体外に誘導し腸切除を行った.腸管切断部より,口側肛門側へそれぞれ内視鏡を挿入し,1-2cmのポリープを数個認めたため,腸管切開を加え摘出した.病理組織検査にてすべて過誤腫であった.PJSは小児発症が多く,複数回の手術が必要な場合があり,腸管切除や開腹創は最小限にとどめる必要がある.手術適応となった症例に対し,今回の術式は有用な方法と考えられた.
索引用語 小腸, Peutz-Jeghers症候群