セッション情報 専修医発表(卒後3-5年)

タイトル 専06:

トラスツズマブ+カペシタビン+シスプラチン併用療法が著効したHer2陽性進行胃癌の一例

演者 松林  万葉(沖縄県立八重山病院 消化器内科)
共同演者 鈴木 英章(沖縄県立八重山病院 消化器内科), 田端 そうへい(沖縄県立八重山病院 消化器内科), 島袋 容司樹(沖縄県立八重山病院 消化器内科)
抄録 TOGA試験の結果を受けHER2 陽性胃癌に対してはトラスツズマブ+XP/FP療法が現時点では推奨されている.今回我々は切除不能・進行胃癌でかつHER2陽性患者に対しに対しトラスツズマブ+カペシタビン+シスプラチン(以下Her-XP)を開始し,一時完全奏功(CR)が得られた一例を経験した。症例:60歳代女性。胃潰瘍、関節リウマチの既往あり。2011年9月、体重減少を主訴に他院受診。上部消化管内視鏡検査(以下EGD)にて胃角部~胃体部小弯を中心に3型進行胃癌を認めた。同月吐血を主訴に当院救急搬送となった。来院時ショックバイタル、Hb5.5g/dlと貧血を認め緊急EGDを施行した。胃角部~胃体部小弯にかけて1/2周性に3型進行胃癌を認め、腫瘍部からの湧出性出血を認めた。APC焼灼、トロンビン、アルサルミン散布施行し、絶食、輸血、プロトンポンプ阻害薬静注にて一時的に止血が得られた。生検にて未分化癌を認めた。また頚部~骨盤造影CTにて左鎖骨上リンパ節腫大、傍大動脈リンパ節腫大を認めた。胃癌Stage4と診断し,化学療法施行した。経口摂取が困難であったためイリノテカン+シスプラチン2コース施行したところ、原発巣の著明縮小認め、部分奏功(PR)が得られた。また原発巣生検にてHer2陽性(3+)であったため、Her-XPを導入。5コース施行し、一時完全奏功(CR)が得られた。今回我々はHer-XPが著効した1症例を認めたので,文献的考察を加え報告する.
索引用語 胃癌, トラスツズマブ