セッション情報 一般演題

タイトル 077:

当院における肝細胞癌に対するバイポーラRFAシステムの初期使用経験

演者 今中 大(鹿児島大学病院消化器内科)
共同演者 玉井 努(鹿児島大学病院消化器内科), 大野 香織(鹿児島大学病院消化器内科), 椨 恵理子(鹿児島大学病院消化器内科), 椨 一晃(鹿児島大学病院消化器内科), 大重 彰彦(鹿児島大学病院消化器内科), 小田 耕平(鹿児島大学病院消化器内科), 熊谷 公太郎(鹿児島大学病院消化器内科), 馬渡 誠一(鹿児島大学病院消化器内科), 森内 昭博(鹿児島大学病院消化器内科), 宇都 浩文(鹿児島大学病院消化器内科), 桶谷 眞(鹿児島大学病院消化器内科), 井戸 章雄(鹿児島大学病院消化器内科)
抄録 【目的】2012年12月、肝細胞癌(HCC)に対してバイポーラRFAシステム(CelonPOWER®、オリンパス社製)が保険適応となった。バイポーラRFAシステムは単針のみならず、複数針での加療が可能であり、これまで経皮的RFAが困難であった肝表面や脈管に近接するHCCに対しても適応範囲が拡大することが期待される。今回我々は、当院におけるバイポーラRFAシステムの初期使用経験について報告する。【症例】症例は7例、7結節。年齢は中央値70(58-78)歳、男/女=6/1、全例 Liver damage Aであった。HCCは乏血/多血=1/6、腫瘍径の中央値は 19(8.9-31)mm、単発/多発=4/3であった。7結節のうちRFA前TACE併用は4結節で、3結節で人工腹水を作成した。平均セッション数は1.43回であった。焼灼後範囲の最大割面積は中央値10.1(8.1-18.9)cmであり、焼灼マージンは5mm以上/0から5mm =4/3であった。いずれも、鎮静にはミダゾラムを用い、除痛に対してはペンタゾシンを用いたが、明らかな術後合併症は認めなかった。【考察】バイポーラRFAシステムの利点は、1) 穿刺に伴い播種が心配される肝表の病変に対して、複数のアプリケータで病変の周囲を穿刺することで、病変を直接穿刺することなく焼灼が可能である。2)穿刺ルートに脈管が重なる病変に対して、脈管を避けて病変周囲に複数のアプリケータを穿刺することで、病変の焼灼が可能である。バイポーラRFAシステムの問題点は、1)アプリケータ1本での焼灼では、短軸方向の焼灼範囲が不十分となる可能性がある。2)複数のアプリケータを穿刺する場合に、アプリケータ刺入部のスペース確保や穿刺後のアプリケータ保持が困難となる場合がある。【結語】当院におけるバイポーラRFAシステムの初期使用経験について報告した。複数針を用いることで、直接穿刺が困難な肝表面や脈管近傍や比較的大きな腫瘍に対しても有用であると考えられた。
索引用語 肝細胞癌, バイポーラRFAシステム