セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 119:結腸間膜に穿通した膵粘液性嚢胞腫瘍の一例 |
演者 | 濱田 朗子(宮崎大学 医学部 腫瘍機能制御外科学) |
共同演者 | 千々岩 一男(宮崎大学 医学部 腫瘍機能制御外科学), 今村 直哉(宮崎大学 医学部 腫瘍機能制御外科学), 旭吉 雅秀(宮崎大学 医学部 腫瘍機能制御外科学), 大内田 次郎(宮崎大学 医学部 腫瘍機能制御外科学), 春山 幸洋(宮崎大学 医学部 病理学講座 腫瘍・再生病態学分野), 片岡 寛章(宮崎大学 医学部 病理学講座 腫瘍・再生病態学分野) |
抄録 | 粘液性嚢胞腫瘍は中年女性の膵体尾部に発生することが多く卵巣様間質の存在が特徴とされている.近年では,健康診断やスクリーニングの普及により無症状で発見される頻度が増加している.今回,非常に稀な自然穿通を伴う粘液性嚢胞腫瘍を経験した. 症例は39歳女性.突然の心窩部痛を主訴に救急搬送され,腹部CTで膵尾部に12cm大の嚢胞性病変を認めた.内部にhigh density areaを認め,嚢胞内出血が疑われた.Hb低下はなく,症状も改善したため保存的加療を行った.ERCPで膵管と膵尾部の嚢胞性病変に明らかな交通を認めず,粘液性嚢胞腫瘍と診断し待機手術を予定した.初回の腹痛から1カ月後に,発熱と腹痛を認めた.抗生剤投与を行ったが,炎症反応の改善乏しく,また腹部造影CTで腫瘍の増大と粘液性嚢胞腫瘍の結腸間膜への穿通が疑われたため,緊急で膵体尾部切除術・脾臓摘出術を施行した.腫瘍は緊満・硬で,横行結腸間膜に強固に癒着していた.炎症により壁は脆弱化しており,剥離の際に壁が破れ膿性排液を認めた.結腸間膜と腫瘍の間に膿瘍を認め,手術所見からも粘液性嚢胞腫瘍の結腸間膜への穿通,および嚢胞内感染と考えられた.GradeBの膵液瘻を認めたが,ドレナージにより改善し術後45日目に退院した.病理診断では卵巣様間質を認めた.明らかな腺癌所見はなく粘液性嚢胞腺腫と診断した. 粘液性嚢胞腫瘍の穿通は非常に稀であり,文献的な考察を加えて報告する. |
索引用語 | 粘液性嚢胞腫瘍, 穿通 |