セッション情報 研修医発表(卒後2年迄)

タイトル 研18:

壊疽性膿皮症を合併した潰瘍性大腸炎の1例

演者 生駒 今日子(慈愛会今村病院 消化器内科)
共同演者 大井 秀久(慈愛会今村病院 消化器内科), 島 晃大(慈愛会今村病院 消化器内科), 下村 寛貴(慈愛会今村病院 消化器内科), 宮田 生弥子(慈愛会今村病院 消化器内科), 鮫島 洋一(慈愛会今村病院 消化器内科DELIMITER鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 水流 弘文(慈愛会今村病院 消化器内科), 藤田 浩(慈愛会今村病院 消化器内科DELIMITER鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 徳元 攻(慈愛会今村病院 消化器内科), 河野 裕一(慈愛会今村病院 消化器内科), 井戸 章雄(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学)
抄録 【症例】30代女性.2012年6月に下痢,血便が出現し,その後腹痛も認め,7月に潰瘍性大腸炎と診断された.プレドニゾロン60mg/日で治療を開始,臨床的に寛解したため漸減し,2013年1月から5-ASA 4g/日内服のみで加療していた. 5月中旬より再度下痢,血便を認め,5-ASA注腸を追加したが改善無く,下部消化管内視鏡検査(CS)では下行結腸から直腸に活動性の病変を認めた.また,7月より下痢,血便に加え腹痛も出現し,加療目的に入院となった.入院時下腹部に自発痛あり,左下腹部に4cm×3cm大の皮膚潰瘍を認めた.CRP 9.88 mg/dlと高値で,厚生労働省重症度分類で中等症であった.ステロイド依存例であり,絶食・補液管理とし,インフリキシマブ(IFX)を導入した.下痢と腹痛は徐々に改善したが,下腹部の皮膚潰瘍は入院後から拡大し,潰瘍からの排膿や周囲の発赤,疼痛も増悪した.壊疽性膿皮症と診断し,消毒のみを行っていたが皮膚潰瘍の改善無く,7月下旬より顆粒球除去療法(GMA)をintensiveに施行した.GMA開始後皮膚潰瘍は9cm×20cmをピークとして縮小傾向となり,疼痛も軽快した.CSでは一部に活動性の潰瘍を認めたものの,全体的には改善傾向であり,8月上旬軽快退院とした.【結語】壊疽性膿皮症を合併した潰瘍性大腸炎の一例を経験した.壊疽性膿皮症に対してIFXが効果不十分と判断し,GMAを行った.
索引用語 壊疽性膿皮症, 潰瘍性大腸炎