セッション情報 研修医発表(卒後2年迄)

タイトル 研13:

続発性ネフローゼ症候群を呈した成人Schoenlein-Henoch紫斑病の1例

演者 島 晃大(慈愛会今村病院 消化器内科)
共同演者 大井 秀久(慈愛会今村病院 消化器内科), 下村 寛貴(慈愛会今村病院 消化器内科), 宮田 生弥子(慈愛会今村病院 消化器内科), 鮫島 洋一(慈愛会今村病院 消化器内科DELIMITER鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 水流 弘文(慈愛会今村病院 消化器内科), 藤田 浩(慈愛会今村病院 消化器内科DELIMITER鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学), 徳元 攻(慈愛会今村病院 消化器内科), 河野 裕一(慈愛会今村病院 消化器内科), 伊集院 裕泰(天陽会中央病院 肝臓内科), 井戸 章雄(鹿児島大学大学院 消化器疾患・生活習慣病学)
抄録 【症例】35歳男性.2013年6月末, 鼻汁と発熱を認めたが自然軽快した.7月初旬より両側手背,下腿の浮腫と両側膝関節痛が出現,持続した.近医を受診したが原因不明で経過観察されていた.翌日には両下肢に紫斑が出現し,嘔気,嘔吐,下痢,腹痛を認めた.紫斑は増大傾向で腹痛も持続したため,紫斑出現2日後に前医を受診した.腹部超音波検査と腹部造影CT検査で回腸末端から上行結腸にかけて全周性の壁肥厚を認め,精査加療目的に同日当科紹介入院となった.入院時の末梢血液検査は正常範囲内であったが,CRP 7.05 mg/dlと高値であった.上部消化管内視鏡検査では十二指腸球部から水平脚にびらんが多発しており,下部消化管内視鏡検査では回腸末端に全周性の発赤と散在するびらんを認めた.小腸造影検査では回腸に鋸歯状陰影を認め,カプセル内視鏡検査では全小腸に発赤やびらん,小潰瘍を認めた.皮膚生検ではLeukocytoclastic vasculitisを認めた.臨床経過と消化管病変の存在,組織所見よりSchoenlein-Henoch紫斑病と診断し,プレドニゾロン30mg/日で治療を開始した.しかし腹部症状は改善せず紫斑も増大したため,4日目よりプレドニゾロン60mg/日へ増量した.その後徐々に腹部症状と紫斑は改善しプレドニゾロンを漸減したが,治療開始後も尿蛋白量は徐々に増加し,最大11g/日となり続発性ネフローゼ症候群を呈した.専門科での治療が必要と考え,入院13日目に他院腎臓内科に転院となった.【結語】続発性ネフローゼ症候群を呈した成人Schoenlein-Henoch紫斑病の一例を経験した.
索引用語 Schoenlein-Henoch紫斑病, 続発性ネフローゼ症候群