セッション情報 |
研修医発表(卒後2年迄)
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タイトル |
研49:Fanconi貧血と続発性ヘモクロマトーシスに肝細胞癌を発症した一例
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演者 |
中野 未来(浜の町病院肝臓病科) |
共同演者 |
具嶋 敏文(浜の町病院肝臓病科), はい 成寛(浜の町病院肝臓病科), 高橋 和弘(浜の町病院肝臓病科) |
抄録 |
【症例】37歳、男性【主訴】肝腫瘍の精査加療目的【現病歴】4歳時にFanconi貧血と診断され、20歳以降にダナゾールやメテロノンの投与を受けていた。貧血のため23歳から28歳まで3,4週毎に4単位の赤血球輸血を要した。血清フェリチン値が高値のため鉄キレート剤を投与されていたが高値が持続していた。10年以上、肝障害を認めていたが、37歳時に増悪あり腹部超音波検査を行ったところ多発肝腫瘍を認めたため精査加療目的で入院となった。【生活歴】飲酒なし【家族歴】弟、Fanconi貧血、父、糖尿病、祖母、大腸癌、叔母、乳癌【現症】身長 173cm、体重 52kg、血圧 109/67mmHg、脈拍 70/分、体温 36.9度、全身の皮膚に褐色の色素沈着あり、眼球結膜に貧血あり、胸腹部に異常なし、浮腫なし【検査成績】高度の汎血球減少、AST 62IU/l、ALT 148IU/l、ALP 955IU/l、γGTP 821IU/lと肝胆道系酵素の上昇、高血糖を認めた。HBV、HCVマーカーは陰性であった。AFP 24ng/ml、PIVKA II 8200mAU/mlと高値であった。腹部造影CTでは肝右葉に11cm大の動脈相で濃染し平衡相で低吸収となる腫瘍を認め肝細胞癌の所見であった。その他にも肝両葉に2cm未満の腫瘍を多数認めた。MRIでは背景肝は著明なT2延長を示し、鉄沈着を示唆する所見であった。【入院後経過】肝腫瘍生検では中分化型肝細胞癌の診断であったため右葉の主腫瘍に対し肝動脈塞栓術を行った。2カ月後のCTでは主腫瘍に腫瘍細胞が残存しておりPIVKA IIも再び上昇傾向にあったが汎血球減少が増悪していたため同部位に放射線照射を行った。今後は顆粒球コロニー刺激因子製剤投与や輸血を行いながら肝細胞癌の治療を行っていく予定である。【考察】Fanconi貧血はまれな疾患であるが若年から血液悪性腫瘍や肝癌を含む固形癌を発症することが知られている。またヘモクロマトーシスも肝癌の原因となることが知られている。本疾患では肝発癌も念頭に置き定期的な画像検査が必要であると考える。 |
索引用語 |
Fanconi貧血, ヘモクロマトーシス |