セッション情報 専修医発表(卒後3-5年)

タイトル 専74:

大網原発孤立性線維性腫瘍の1例

演者 平島 美幸(済生会熊本病院 消化器病センター)
共同演者 吉田 健一(済生会熊本病院 消化器病センター), 石貫 敬子(済生会熊本病院 消化器病センター), 古賀 毅彦(済生会熊本病院 消化器病センター), 竹口 真隆(済生会熊本病院 消化器病センター), 糸島 尚(済生会熊本病院 消化器病センター), 齋藤 宏和(済生会熊本病院 消化器病センター), 藤山 俊一郎(済生会熊本病院 消化器病センター), 須古 信一郎(済生会熊本病院 消化器病センター), 門野 義弘(済生会熊本病院 消化器病センター), 塩屋 公孝(済生会熊本病院 消化器病センター), 上川 健太郎(済生会熊本病院 消化器病センター), 工藤 康一(済生会熊本病院 消化器病センター), 上原 正義(済生会熊本病院 消化器病センター), 江口 洋之(済生会熊本病院 消化器病センター), 浦田 淳資(済生会熊本病院 消化器病センター), 近澤 秀人(済生会熊本病院 消化器病センター), 今村 治男(済生会熊本病院 消化器病センター), 小川 克大(済生会熊本病院 外科センター), 高森 啓史(済生会熊本病院 外科センター), 神尾 多喜浩(済生会熊本病院 病理)
抄録 症例は73歳の女性で、当院循環器科定期受診の際の心エコーで偶然右下腹部の腫瘍性病変を指摘され、精査目的のため当科に紹介された。腹部超音波検査上、盲腸の足側に接して径60mmの楕円形腫瘍を認めた。腫瘍の表面は平滑で境界明瞭、内部は低エコーで均一であった。腹部造影CTでは腫瘍内に遷延性に結節様に増強される部位と軽度増強不良域を認めた。腫瘍は骨盤内小腸と密に接しており、小腸由来の消化管間葉系腫瘍を疑い、当院外科で腹腔鏡補助下腫瘍切除術が施行された。腹腔内を観察すると、腫瘍は小腸と連続しておらず、大網由来の腫瘍であった。周辺臓器との癒着はみられなかった。切除標本は5.5cm大、割面は白色充実性腫瘍であった。組織学的には紡錘形細胞が規則的とはいえない配列で増生し、いわゆるpattern less patternを呈し、ケロイド様の膠原線維束が個々の腫瘍細胞間に介在していた。CD34陽性、bcl-2陽性で大網原発の孤立性線維性腫瘍と診断された。悪性を示唆するような高い細胞密度や核の多形性、腫瘍壊死、多数の核分裂像はみられなかった。今回、稀な大網原発の孤立性線維性腫瘍の症例を経験したので文献的考察も加え報告する。
索引用語 孤立性線維性腫瘍, 大網