セッション情報 一般演題

タイトル 003:

超音波内視鏡下吸引細胞診(EUS-FNA)が診断に有用であった食道神経内分泌癌の一例

演者 山道 忍(佐世保中央病院 消化器内視鏡センター)
共同演者 澤瀬 寛典(佐世保中央病院 消化器内視鏡センター), 松崎 寿久(佐世保中央病院 消化器内視鏡センター), 小田 英俊(佐世保中央病院 消化器内視鏡センター), 木下 昇(佐世保中央病院 消化器内視鏡センター), 佐々木 伸文(佐世保中央病院 外科), 碇 秀樹(佐世保中央病院 外科), 米満 伸久(佐世保中央病院 病理検査部)
抄録 【症例】64歳男性。200X年CABG後の経過観察目的に撮影された胸部CTにて食道壁肥厚を指摘され当科紹介。GISでは中部食道に30mm程度の粘膜下腫瘍を認めた。200X+3年4月吐血を主訴にかかりつけ医より当科紹介となった。GISでは中部食道に粘膜下腫瘍を認め、頂部は一部自壊しており、同部からの出血が疑われた。同日撮影された胸部CTでは中部食道に認めた腫瘤像は前回撮影時よりも増大しており、縦隔内の気管・大動脈に大きく接していた。診断確定目的にEUS-FNAを施行した。病理結果はCD56陽性、ChromograninA 一部陽性、Synaptophysin、Cytokeratin(AE1/AE3)陰性で神経内分泌腫瘍が疑わしい結果であった。CT、MRIにて周囲気管や大動脈への広がりを認めたが、EUSでは腫瘍辺縁に被膜様構造を認め、明らかな浸潤なく外科的摘出可能と判断し、胸部食道切除+胃管後縦隔再建を行った。切除後病理ではクロマチンが増加した腫瘍細胞が胞巣状に充実性に増殖しており、一部短紡錘形の腫瘍細胞の増殖も認められた。免疫染色ではChromograninA(-)、Synaptophysin(+)、CD34(+)、CD56(+)でMIB-1 indexはhot spotで40%ほどであった。腫瘍細胞に多形性が見られたが、免疫組織学的には神経内分泌癌に相当する所見であった。【結論】食道粘膜下腫瘍に対するEUS-FNAを行い、神経内分泌癌の診断に有用であった1例を経験したので、文献的考察を加えて報告する。
索引用語 食道粘膜下腫瘍, EUS-FNA