セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 075:薬物性劇症肝炎に対する生体肝移植後に原発性胆汁性肝硬変を発症した一例 |
演者 | 椨 恵理子(鹿児島大学病院 消化器内科) |
共同演者 | 森内 昭博(鹿児島大学病院 消化器内科), 大重 彰彦(鹿児島大学病院 消化器内科), 椨 一晃(鹿児島大学病院 消化器内科), 大野 香織(鹿児島大学病院 消化器内科), 小田 耕平(鹿児島大学病院 消化器内科), 今中 大(鹿児島大学病院 消化器内科), 馬渡 誠一(鹿児島大学病院 消化器内科), 熊谷 公太郎(鹿児島大学病院 消化器内科), 玉井 努(鹿児島大学病院 消化器内科), 宇都 浩文(鹿児島大学病院 消化器内科), 桶谷 眞(鹿児島大学病院 消化器内科), 井戸 章雄(鹿児島大学病院 消化器内科) |
抄録 | 【はじめに】肝移植は、劇症肝炎に対して唯一生命予後を改善する治療法として確立されている。一方で、ウイルス性肝炎や自己免疫性肝炎を中心に、移植後の原疾患の再燃、再発の報告が複数みられる。今回、薬物性の劇症肝炎に対する肝移植後に原発性胆汁性肝硬変(PBC)を発症した一例を経験したので報告する。【症例】40歳女性。2008年5月初旬、黄疸を自覚し近医を受診したところ、急性肝炎重症型の診断で、当科転院となった。入院後、5月27日昏睡II度の肝性脳症が発現し、劇症肝炎亜急性型と診断した。人工肝補助療法を施行するも脳症が進行したため、5月31日夫をドナーとして生体肝移植を施行した。劇症肝炎の原因として、肝炎ウイルスは否定的で、自己免疫性肝炎も疑われたが、イブプロフェンを常用しており、IgE:287 mg/dL、DLST:1284%と高値で、薬物性の劇症肝炎と診断した。なお、術前の抗ミトコンドリアM2抗体は陰性であった。術後経過は良好で、肝胆道系酵素の変動無く経過していたが、2011年3月以降、肝胆道系酵素の軽度上昇が持続した。NAFLD等の可能性を考え経過観察していたが、2012年6月の時点でAST:85 IU/L、ALT:87 IU/L、ALP:943 IU/L、γ-GTP:223 IU/Lと増悪し、抗ミトコンドリアM2抗体が陽転化しており、PBCを疑って肝生検を施行した。病理組織では胆管上皮障害や胆管の消失した門脈域を認め、PBCと診断した。UDCA投与にて、肝胆道系酵素の上昇は改善し、外来にて経過観察中である。【考察】末期PBCは肝移植の良い適応であるが、移植後の再発率は10~30%と比較的高率とされている。一方、本症例では、肝移植の契機となった原疾患が薬物性の劇症肝炎であり、極めて稀と考えられ、文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | 肝移植, 原発性胆汁性肝硬変 |