セッション情報 一般演題

タイトル 108:

良性胆管狭窄にメタリックステント留置後形成された多量胆管結石に対し各種切石治療を行った1例

演者 門野 義弘(済生会熊本病院 消化器病センター)
共同演者 浦田 淳資(済生会熊本病院 消化器病センター), 平島 美幸(済生会熊本病院 消化器病センター), 石貫 敬子(済生会熊本病院 消化器病センター), 古賀 毅彦(済生会熊本病院 消化器病センター), 竹口 真隆(済生会熊本病院 消化器病センター), 齋藤 宏和(済生会熊本病院 消化器病センター), 糸島 尚(済生会熊本病院 消化器病センター), 藤山 俊一郎(済生会熊本病院 消化器病センター), 須古 信一郎(済生会熊本病院 消化器病センター), 塩屋 公孝(済生会熊本病院 消化器病センター), 村岡 正武(済生会熊本病院 消化器病センター), 吉田 健一(済生会熊本病院 消化器病センター), 上川 健太郎(済生会熊本病院 消化器病センター), 工藤 康一(済生会熊本病院 消化器病センター), 上原 正義(済生会熊本病院 消化器病センター), 江口 洋之(済生会熊本病院 消化器病センター), 近澤 秀人(済生会熊本病院 消化器病センター), 今村 治男(済生会熊本病院 消化器病センター)
抄録 症例は53歳、男性。近医にて1999年に腹腔鏡下胆嚢摘出時に総胆管損傷。2002年に総胆管狭窄に対してメタリックステント留置。2003年から2005年にかけて肝内結石のため胆管炎を繰り返し抗菌薬にて保存的に加療されていた。 2005年にメタリックステントを追加留置。 その後も、胆管炎を繰り返し、肝内結石が充満してきたため、加療目的で2010年に当科紹介入院となった。CT上、総胆管から右前区域枝にメタリックステントが留置されており、肝内胆管が拡張し肝両葉の肝内胆管に5-10mm前後の結石数十個以上が多発していた。B3よりPTBDを施行し、20Frまでボアアップ、PTBDルートおよびERCPからの各種切石治療、バルーン拡張、PTCSを組み合わせ、7ヶ月後にB2に5mm大の結石が数個残存するのみとなった。結石の成分分析を行ったところ、ビリルビンカルシウム87%、脂肪酸カルシウム13%であった。PTCSによる内腔観察では総胆管および左肝管は肉芽と思われる隆起で一部狭窄していた。メタリックステント留置後結石の治療は非常に困難であるが、ERCP関連治療、PTBD、PTCS等を組み合わせることで、切石治療は十分可能であった。長期留置が予想される良性胆管狭窄への安易なメタリックステンティングは慎むべきであり、入れ替え可能なプラスティック製ステントも考慮すべきである。今回、我々は、良性胆管狭窄にメタリックステント留置後形成された多量胆管結石に対し、各種治療を行った1例を経験したので文献的考察を加えて報告する。
索引用語 良性胆管狭窄, メタリックステント