セッション情報 一般演題

タイトル 111:

膵管造影が診断に有用であった微小膵管癌の1例

演者 中村 裕(佐世保市立総合病院)
共同演者
抄録 ○1)中村裕/1)岩津伸一/1)中鋪卓/1)吉田亮/1)吉川大介/1)小澤栄介/1)山尾拓史    /2)大仁田賢/2)中尾一彦      1)佐世保市立総合病院2)長崎大学病院消化器内科     症例は67才女性。2010年4月、他臓器転移のない原発性肺癌に対し右下葉切除術を施され、術後は再発なく経過していた。また、精査のため施行された腹部CTで分枝型 膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)の診断をうけていた。2012年5月、経過観察のため胸腹部CTを施行され、膵頭部主膵管の狭小化、膵体尾部主膵管の拡張を指摘されたため当科紹介となった。腹部造影CTおよび超音波内視鏡検査を施行するも明らかな充実性腫瘤は指摘出来なかったが、膵管造影で膵頭体移行部主膵管に長径5mmの乏枝性狭窄と狭窄部位の直線化、尾側膵管拡張を認めた。膵管内超音波検査では同部位に明らかな腫瘤性病変は指摘できなかった。2013年3月、膵頭部癌の診断で膵島十二指腸切除術を施行したところ、膵管造影で指摘された部位に3*3mmの小腫瘤が認められた。病理所見はadenocarcinoma, ly0, v0, ne0, mpd(-), pTS1, tumor size 3*3mm, pT1, N0, M0であった。現在まで明らかな転移、再発は認められていない。微小膵管癌の診断は、発生部位および形態により各種画像診断を用いても困難な事が少なくない。今回、膵管造影が診断に有用であった径3mm大の微小膵癌の1例を経験したので、若干の文献的考察を加味して報告する。
索引用語 微小膵管癌, 膵管造影