セッション情報 一般演題

タイトル 076:

自己免疫性肝炎の経過中に発症した薬剤性肝障害の一例

演者 谷本 博徳(新小倉病院肝臓病センター)
共同演者 山下 信行(新小倉病院肝臓病センター), 野村 秀幸(新小倉病院肝臓病センター)
抄録 症例は60歳代女性。2009年発症の自己免疫性肝炎の患者で、プレドニン 5mg/日の内服によりAST, ALTは正常で経過良好であったが、2013年2/19から2/25まで琉球もろみ酢を飲んだところ、以後気分不良、尿の黄染、全身倦怠感、食欲不振が出現したため3/4に当科外来を受診したところ、T-Bil 15.4mg/dl, D-Bil 10.1mg/dl, AST 1258U/l, ALT 1246U/l, LDH 526U/l, γ-GTP 384U/lと急激な肝機能の悪化を認めたため、同日当科に緊急入院となった。入院時の意識レベルは清明であったがPTが68%とやや低下しており、劇症化が危惧されたが、入院後はプレドニンを50mg/日に増量して対処したところ、退院までに約2ヶ月を要したが肝機能は速やかに改善した。琉球もろみ酢の摂取は約1週間であったが、元々自己免疫性肝炎があり免疫寛容状態にあったことから肝障害の重症化を招いたものと思われた。興味ある症例と考えられたためにここに報告する。
索引用語 薬剤性肝障害, 自己免疫性肝炎