セッション情報 | ワークショップ4「炎症性腸疾患 最近の治療」 |
---|---|
タイトル | WS4-09:Crohn病に対し顆粒球吸着療法を10回以上施行した症例の検討 |
演者 | 桑木 光太郎(久留米大学消化器内科) |
共同演者 | 山崎 博(久留米大学消化器内科), 小林 哲平(久留米大学消化器内科), 山内 亨介(久留米大学消化器内科), 吉岡 慎一郎(久留米大学消化器内科), 竹田津 英稔(久留米大学消化器内科), 光山 慶一(久留米大学病院炎症性腸疾患センター), 鶴田 修(久留米大学病院消化器病センター内視鏡部門), 佐田 通夫(久留米大学消化器内科) |
抄録 | 【目的】Crohn病(CD)の治療は抗TNF-α抗体製剤などの生物学的製剤の登場で治療法が劇的に変化した. しかし, アレルギーや結核のリスクなどの副作用の他に効果減弱などの報告があり, さらなる治療法の選択肢の増加が望まれている. 2009年1月より, 潰瘍性大腸炎で行われてきた顆粒球除去療法(GCAP)が保険適応となった. 今回, CDに対しGCAPを10回以上行えた患者を対象に臨床効果・副作用などを検討した. 【方法】2009年4月から2013年4月にかけてGCAPを10回以上行った活動期CDを検討の対象とした. 臨床活動性はCDAIおよびIOIBDスコアを用いた. なお. GCAP期間中, 他の併用中の治療法について変更などは行わなかった. 【成績】男性4名, 女性8名で平均年齢33.6歳であった. 治療前のCDAIは平均216.8(65-587), IOIBDスコアは平均2.3(0-5)であった. 治療後のCDAIは平均108.8(37-188), IOIBDスコアは平均0.9(0-2)であった. いずれも, 治療前と比べ有意に改善を認めた. また, 寛解に至った例は8例(66.7%)であった. 一方, CRP, ヘモグロビン, 体重などの項目は有意な変化はみとめられなかった. 副作用で最も多かったのは施行中の顔面または全身性の発赤であった(5例、41.7%). いずれの症例もGCAP中の抗凝固剤をヘパリンに変更したところ, 症状の出現は認められなくなった. 【結論】CDに対するGCAPはCDAIやIOIBDスコアの改善を認めた. 炎症反応よりも臨床症状の改善がスコア低下に寄与したものと考えられた. また, 副作用も抗凝固剤などの変更などで対応でき, 比較的安全に行えた. 既存の治療に加え, GCAP療法はCDの有用な治療法のひとつと示唆された. |
索引用語 | Crohn病, 白血球除去療法 |