セッション情報 専修医発表(卒後3-5年)

タイトル 専25:

十二指腸閉塞をきした胃石症の一例

演者 草場 喜雄(筑後市立病院消化器内科)
共同演者 白地 美紀(筑後市立病院消化器内科), 渡辺 靖友(筑後市立病院消化器内科), 進藤 洋一郎(筑後市立病院消化器内科), 久永 宏(筑後市立病院消化器内科), 梶原 雅彦(筑後市立病院消化器内科), 鶴田 修(久留米大学病院消化器内科), 佐田 通夫(久留米大学病院消化器内科)
抄録 [症例]80歳代、男性。[主訴]悪心、嘔吐。[食嗜好]無類の柿好き。[現病歴]2013年6月6日より悪心、嘔吐が出現し、6月8日当院受診され著明な胃拡張を認めたため、精査加療目的で入院となった。胃管挿入後、約1000mlの排液を認め、悪心・嘔吐は改善した。上部消化管造影検査では、胃・十二指腸内に移動する複数の陰影欠損(胃内:約50mm、十二指腸内:約35mm)を認めた。また、上部消化管内視鏡検査(EGD)では、胃内に1個、十二指腸水平脚に2個の胃石を認め、今回の十二指腸閉塞の原因と考えられた。内視鏡的胃石除去を試みたが、うまく除去できず大部分が残存した。残存胃石を可能な限り砕き(2cm以下)、便からの排出を期待した。十二指腸水平部に認めた胃石は砕石を行った際に落下したため未回収となった。最終的に胃石の大きさは閉塞をきたさない大きさになったが、更なる胃石溶解を期待してコーラ飲用(500ml/日)を開始した。その後食事摂取開始し腹部症状の再燃はなく、確認のEGDでは観察範囲内に胃石を認めなかった。[考察]胃石は比較的稀な疾患であり、胃石が落下してイレウスを発症させる頻度は更に低く、胃石患者の内8~10%と報告されている。その多くが本邦では柿胃石によるものである。今回我々は、落下胃石が十二指腸閉塞をきたした貴重な症例を経験したので文献的考察を加えて報告する。
索引用語 胃石, 十二指腸閉塞