セッション情報 専修医発表(卒後3-5年)

タイトル 専26:

胃癌術後のVirchowリンパ節転移と鑑別が困難結核性リンパ節炎の一例

演者 織田 枝里(熊本大学大学院 消化器外科学)
共同演者
抄録 【はじめに】早期胃癌術後に左鎖骨上リンパ節腫脹を認め、Virchowリンパ節転移と鑑別困難であった結核性リンパ節炎の症例を経験したので報告する。【症例】78歳 女性。2012年6月、胃癌(L 0-IIc T1a(M)N0H0P0M0 StageIA)に対し、幽門側胃切除術、D2郭清、R-Y再建施行。術後は外来経過観察中であったが13年3月、左鎖骨上リンパ節の腫脹を認めた。Virchow転移を疑い全身検査を行なったが、胸部および腹部リンパ節の腫脹は認めなかった。腫脹部位はφ4×3cmであり、超音波検査では隔壁を伴うcystic massであり、CTでは腫瘤辺縁に造影効果を認め、内部はlow density であった。穿刺細胞診では腫瘤内部は混濁した膿状であり、悪性細胞は認めなかった。結核の既往があったため、結核性リンパ節炎を疑い培養検査を施行すると好酸菌陽性であり、PCR検査にて結核の診断を得た。クオンティフェロンも陽性であった。抗結核薬(INH+RFP+EB+PZA)投与にて症状の改善を認めた。【考察】結核の既往がる症例では、胃癌術後のVirchow転移の鑑別診断として結核性リンパ節炎を考慮する必要あると考えられた。
索引用語 結核性リンパ節炎, 胃癌