セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 059:α-グルコシダーゼ阻害剤(α-GI)服用中の患者に発症した腸管嚢腫様気腫症の一例 |
演者 | 上田 紘子(鹿児島厚生連病院) |
共同演者 | 柊元 洋紀(鹿児島厚生連病院), 渋谷 明日香(鹿児島厚生連病院), 大石 一郎(鹿児島厚生連病院), 福田 芳生(鹿児島厚生連病院), 徳重 浩一(鹿児島厚生連病院), 谷口 鎌一郎(鹿児島厚生連病院), 堀之内 博人(鹿児島厚生連病院), 中村 勇一(鹿児島厚生連病院), 前之原 茂穂(鹿児島厚生連病院), 宮原 広典(鹿児島厚生連健康管理センター) |
抄録 | 症例は74歳女性。主訴は下痢、腹部膨満感、食欲低下。既往に糖尿病、非結核性抗酸菌、甲状腺機能亢進症を認めていた。当院受診2週間前より症状出現し、精査加療目的に当院紹介受診となった。入院時腹部レントゲン写真にてfree airを認め、腹部CTにて上行結腸からS状結腸にかけて消化管壁に一致した含気像を多数認めた。また、下部消化管内視鏡検査では上行結腸に多発する大小の緊満感のある粘膜下腫瘍様の隆起を認めたことより腸管嚢腫様気腫症と診断した。原因としては慢性肺疾患もしくはα-GI内服が考えられた。絶食、α-GI中止、メトロニダゾール内服にて速やかに症状改善が得られた。1週間後および2ヶ月後の下部消化管内視鏡検査にて粘膜下腫瘍様の隆起消失を認めた。 腸管嚢腫様気腫症は比較的稀な疾患であり、消化管閉塞や慢性肺疾患またはα-GI内服などの薬剤性、その他様々な原因が報告されている。free airや門脈ガスを認めることも多く、腸管壊死や穿孔などの鑑別に苦慮する場合があり、本疾患の存在を念頭に置く必要がある。若干の文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | 腸管嚢腫様気腫症, α-グルコシダーゼ阻害剤 |