セッション情報 専修医発表(卒後3-5年)

タイトル 専78:

NBIで観察し得た周辺性エナメル上皮腫の1例

演者 竹田 幸子(宮崎県立延岡病院 内科DELIMITER宮崎大学医学部 内科学講座 消化器血液学分野)
共同演者 三池 忠(宮崎大学医学部 内科学講座 消化器血液学分野), 中村 憲一(宮崎県立延岡病院 内科DELIMITER宮崎大学医学部 内科学講座 消化器血液学分野), 上原 なつみ(宮崎大学医学部 内科学講座 消化器血液学分野), 鈴木 翔(宮崎大学医学部 内科学講座 消化器血液学分野), 坂口 舞(宮崎大学医学部 内科学講座 消化器血液学分野), 夏田 朱一郎(宮崎大学医学部 内科学講座 消化器血液学分野), 山路 卓巳(宮崎大学医学部 内科学講座 消化器血液学分野), 安倍 弘生(宮崎大学医学部 内科学講座 消化器血液学分野), 山本 章二朗(宮崎大学医学部 内科学講座 消化器血液学分野), 頼田 顕辞(宮崎大学医学部 病理学講座 腫瘍・再生病態学分野), 馬場 貴(宮崎大学医学部 感覚運動医学講座 顎顔面口腔外科学分野), 井川 加織(宮崎大学医学部 感覚運動医学講座 顎顔面口腔外科学分野), 片岡 寛章(宮崎大学医学部 病理学講座 腫瘍・再生病態学分野), 下田 和哉(宮崎大学医学部 内科学講座 消化器血液学分野)
抄録 【症例】86歳, 男性【現病歴】食道癌に対して数回の内視鏡治療歴があり, 術後経過観察のため2011年11月に内視鏡検査を施行した. 右側硬口蓋に径10mm程度の褪色陥凹性病変を認めた. 陥凹内に大小不同の不整な凹凸を有し, 易出血性であった. NBI拡大観察にて走行不整な拡張した血管を認めた. 【経過】その後同病変は拡大し, 凹凸不整が目立ち, 結節状隆起を伴った. 隆起部で樹枝状の不整な拡張血管を認め, その他の凹凸領域で短線状の不整な拡張血管を散見した. 同部から生検施行し, 組織は周辺性エナメル上皮腫であった. 核分裂像が著明で, 限局性に細胞異型が強い領域を認め, 悪性が疑われた. 当院口腔外科にて手術予定であったが, 不穏, せん妄, 徘徊などの認知症出現のため, 家族と相談の上, 保存的に外来にて経過観察中である. 【考察】エナメル上皮腫は, 頻度が高い良性の歯原性腫瘍であるが, まれに顎骨周囲の軟組織に発生し, 周辺性エナメル上皮腫と呼ばれる. 全エナメル上皮腫の1.3-10%と稀であるが, 本症例のように注意深く口腔内を観察すれば, 内視鏡にて指摘できる可能性がある. 近年, 口腔癌や前癌病変に対してNBIの有用性が報告されているが, エナメル上皮腫をNBIで観察しえた報告は稀で貴重であり, 文献的考察を加え報告する.
索引用語 周辺性エナメル上皮腫, NBI