セッション情報 | 研修医発表(卒後2年迄) |
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タイトル | 研54:特発性血小板減少症を急性発症したC型肝硬変症例に対し生体肝移植を施行し得た1例 |
演者 | 徳満 純一(長崎大学病院消化器内科) |
共同演者 | 原口 雅史(長崎大学病院消化器内科), 木下 梨華子(長崎大学病院消化器内科), 園田 悠紀(長崎大学病院消化器内科), 高木 裕子(長崎大学病院消化器内科), 藤富 真吾(長崎大学病院消化器内科), 内田 信二郎(長崎大学病院消化器内科), 加茂 泰広(長崎大学病院消化器内科), 妹尾 健正(長崎大学病院消化器内科), 吉村 映美(長崎大学病院消化器内科), 柴田 英貴(長崎大学病院消化器内科), 三馬 聡(長崎大学病院消化器内科), 田浦 直太(長崎大学病院消化器内科), 市川 辰樹(長崎大学病院消化器内科), 中尾 一彦(長崎大学病院消化器内科), 日高 匡章(長崎大学病院移植消化器外科), 高槻 光寿(長崎大学病院移植消化器外科), 江口 晋(長崎大学病院移植消化器外科), 猪口 薫(日本赤十字社 長崎原爆諫早病院) |
抄録 | 症例は43歳、女性。1996年にHCV陽性を指摘され、2005年にC型慢性肝炎と診断されるが、その後C型肝炎に対する加療歴なし。2011年に近医再受診した際、HCV-RNA6.3logIU/ml、Genotype1bと高ウィルス量であるとともに、肝生検:A2-3/F4であることからC型肝硬変の診断となった。ご本人と相談し、肝硬変の増悪を抑制する目的で2012年ペグインターフェロン+リバビリン療法を開始されたが、血球減少などの副作用により中断。以後、対症療法で経過観察されていたが2013年5月の血液検査でAlb2,2g/dl、T.bil5.4mg/dl、PT36%、血小板7.5万/μl、腹水増加、と肝硬変増悪(Child-pugh:12点)を指摘された。 長期生存は困難と判断され、生体肝移植目的に同年7月当院紹介受診。生体肝移植適応と判断され、移植前精査目的で8月に当科入院となるが、入院4日前から歯肉出血を認め、入院1週間前の血液検査では血小板6.6万/μlであったのに対し、入院時血液検査で血小板2000/μlと著明な血小板減少を認めた。また、胸部CTで右肺野に肺胞出血も指摘され、原因精査目的で当院血液内科に紹介し種々の検査を施行したところ、骨髄穿刺で巨核球数の増加及び血小板結合性免疫グロブリンG (PAIgG)増量を認めた。上記結果からC型肝硬変に合併した特発性血小板減少症(ITP)の診断となり、血液内科、移植消化器外科と相談の上、血小板輸血を継続しながら免疫グロブリン大量療法及びリツキシマブ点滴(day1)を開始。加療開始に伴い血小板数は3日間で2000→20000→75000と速やかに改善したため免疫グロブリンを中止したが血小板減少を認めず出血症状も消失したため、予定通り8月末に夫をドナーとした生体肝移植及び脾摘術が施行され経過観察中である。【考察】HCV感染に合併したITP症例については報告例が散見されるが、本邦では生体肝移植に急性発症した報告はなく今後も厳重な経過観察が必要と考えられる。 |
索引用語 | C型肝硬変, 特発性血小板減少症 |