セッション情報 | 専修医発表(卒後3-5年) |
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タイトル | 専53:IFN-αの少量長期療法を行ったC型肝硬変の1例 |
演者 | 成田 翔平(長崎医療センター肝臓内科) |
共同演者 | 釘山 有希(長崎医療センター肝臓内科), 宮副 由梨(長崎医療センター肝臓内科), 佐々木 龍(長崎医療センター肝臓内科), 戸次 鎮宗(長崎医療センター肝臓内科), 橋元 悟(長崎医療センター肝臓内科), 佐伯 哲(長崎医療センター肝臓内科), 長岡 進矢(長崎医療センター肝臓内科DELIMITER長崎医療センター臨床研究センター), 山崎 一美(長崎医療センター肝臓内科DELIMITER長崎医療センター臨床研究センター), 阿比留 正剛(長崎医療センター肝臓内科DELIMITER長崎医療センター臨床研究センター), 小森 敦正(長崎医療センター肝臓内科DELIMITER長崎医療センター臨床研究センター), 八橋 弘(長崎医療センター肝臓内科DELIMITER長崎医療センター臨床研究センター) |
抄録 | 症例は63歳、男性。特記すべき既往歴なし、輸血歴なし、肝疾患の家族歴なし。1983年に肝機能異常を指摘され、近医にてフォローされていた。1994年肝生検にてC型慢性肝炎と診断された。1997年当科外来初診、AST 30IU/ l、ALT 53IU/l、AFP 6ng/ml、genotype 1bであった。1998年よりIFN-βを8週間投与されるもウイルスは消失しなかった。2001年AST 113IU/l、ALT 127IU/l、AFP 281ng/mlと増悪を認め、血小板も4.3万/μlと低下していた。肝生検施行し、F4A3であった。以降も血液検査所見の改善を認めなかったため、2002年7月よりIFN-α 300万単位、3回/週の投与を開始した。2003年5月にはAFP 130ng/mlまで低下、2004年1月の血小板は7.9万/μlまで改善した。2005年6月以降はAST、ALT正常化、10月よりHCV-RNA陰性化し、その後も再燃なく経過したため2007年10月IFN-αの投与を終了した。以後肝機能の増悪なくSVRの判定となったが、AFP 1792ng/mlまで上昇し、2008年8月の造影CTにて肝S6に早期濃染、後期washoutを伴う2cm大の結節を認め、当院外科にて肝S6亜区域切除術を施行された。術後病理診断は中分化型肝細胞癌であった。2013年6月現在肝細胞癌の再発なく経過している。IFN少量長期療法による線維化進行抑制効果、肝癌の新規発生・再発予防効果についての報告は多くなされている。今回IFN-αの少量長期療法を約5年間継続し、SVRとなった後に肝発癌し、その後は再発なく経過している1例を経験した。当院でIFN-αを5年以上長期投与している7例と併せて、若干の文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | C型肝炎, インターフェロン少量長期投与 |