セッション情報 | 研修医発表(卒後2年迄) |
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タイトル | 研64:教室で経験した膵全摘術11例の検討 |
演者 | 田中 貴子(鹿児島大学 消化器・乳腺甲状腺外科) |
共同演者 | 前村 公成(鹿児島大学 消化器・乳腺甲状腺外科), 又木 雄弘(鹿児島大学 消化器・乳腺甲状腺外科), 蔵原 弘(鹿児島大学 消化器・乳腺甲状腺外科), 田上 聖徳(鹿児島大学 消化器・乳腺甲状腺外科), 迫田 雅彦(鹿児島大学 消化器・乳腺甲状腺外科), 飯野 聡(鹿児島大学 消化器・乳腺甲状腺外科), 新地 洋之(鹿児島大学 医学部 保健学科), 高尾 尊身(鹿児島大学 フロンティアサイエンス研究推進センター), 夏越 祥次(鹿児島大学 消化器・乳腺甲状腺外科) |
抄録 | 【はじめに】膵全摘術は、血糖管理及び周術期管理の発展に伴い、比較的安全に行われるようになってきた。今回当科における膵全摘術をretrospectiveに検討した。【対象と検討項目】対象:1997年から2013年の16年間に当科で経験した膵全摘術11例(異時性残膵再発による残膵切除2例を含む)。平均年齢:62.7歳(48-71歳)。性別:男性8例、女性3例。疾患:膵癌4例、IPMC3例、腎癌膵転移2例、ガストリノーマ1例、ITN1例であった。検討項目:1.膵全摘選択理由 2.手術内容 3.術後経過【結果】1.膵全摘選択理由:膵癌4例中2例は膵全体癌であり、2例はPD予定であったが、術中広範囲進展にて全摘へ変更。IPMC3例中2例は、膵管内の広範囲進展であり、1例は術後3年めの残膵再発。また、腎癌膵転移は1例は膵内多発、1例は術後12年めの残膵再発。ガストリノーマも膵内多発であった。2.手術内容:平均手術時間は562.8分(230-820分)、平均出血量は1949ml(660-4100ml)、膵癌の2例は門脈合併切除まで行った。3.術後経過:術後平均在院日数は28.2日(15-45日)。術後早期より高カロリー輸液、インスリン持続静注を行ったが、耐糖能異常に伴う心肺腎機能不全や、全身管理を必要とするような感染症などの術後合併症はみられなかった.全例、術後1年以上生存しており、栄養状態は保たれ,QOLも良好であった。術後定期インスリン量は、即効型、中間型併用して平均21.5単位(12-34単位)使用しており、個々人のインスリン投与量の大きな変動はほとんどみられなかった。【考察】膵内多発病変や膵全体に進展する病変に対しては、膵全摘術が適応となる。以前は、膵全摘術は予後を改善せず、血糖調節困難や下痢などのQOLの低下もみられることから、適応を厳密にすべきと考えられてきたが、現在は比較的安全に施行できると言われている。今回検討した10例いずれも、重篤な合併症や術後のQOL低下みられず、予後良好であった。【結語】膵全摘術は安全に施行できる術式であり、適応症例に関しては、積極的に考慮するべき術式と考えられた。 |
索引用語 | 膵全摘, 術後管理 |