セッション情報 一般演題

タイトル 027:

閉塞性胆管炎で発症し,術中内視鏡が有用であった巨大な有茎性十二指腸乳頭部腺腫の1例

演者 吉村 大輔(済生会福岡総合病院 消化器内科)
共同演者 池上 徹(済生会福岡総合病院 外科), 荒殿 ちほ子(済生会福岡総合病院 消化器内科), 西原 佑一郎(済生会福岡総合病院 消化器内科), 池田 浩子(済生会福岡総合病院 消化器内科), 富田 洋介(済生会福岡総合病院 消化器内科), 水谷 孝弘(済生会福岡総合病院 消化器内科), 田中 琢磨(済生会福岡総合病院 消化器内科), 下川 雄三(済生会福岡総合病院 消化器内科), 明石 哲郎(済生会福岡総合病院 消化器内科), 落合 利彰(済生会福岡総合病院 消化器内科), 中島 明彦(済生会福岡総合病院 病理診断科), 中村 和彦(九州大学大学院 病態制御内科), 酒井 健二(酒井胃腸科・内科クリニック)
抄録 症例は50歳代男性.上腹部痛のため前医を受診し,上部消化管内視鏡検査で十二指腸下行脚に腫瘍を認め当科へ緊急入院した.入院時には症状は軽快していたが,著明な肝胆道系および膵酵素の上昇を認めた.内視鏡では十二指腸腫瘍は3cm大,分葉状で太く長い茎部を有し水平脚へ逸脱しており,主乳頭は観察不能であった.腫瘍の発生部位として主乳頭部が疑われたが,低緊張十二指腸造影およびMRCPでも術前の局在診断が困難であった.
診断的治療として開腹下にまず胆嚢摘出術を行い,胆嚢管からカテーテルを挿入し術中内視鏡で観察したところ,カテーテルは腫瘍内部より十二指腸管腔内に出現した.乳頭部に由来する有茎性腫瘍と診断し,局所切除術および乳頭形成術を施行した.病理所見は管状絨毛状腺腫であった.有茎性の十二指腸乳頭部腺腫がその機械的逸脱により閉塞性膵胆管炎を来したものと考えられ,外科医との連携と術中内視鏡診断が最小限の侵襲による治療につながった.
索引用語 乳頭部腫瘍, 閉塞性胆管炎