セッション情報 一般演題

タイトル 037:

当院における原因不明の消化管出血60例の検討

演者 成田 礼(熊本大学医学部附属病院 消化器内科)
共同演者 山田 裕希(熊本大学医学部附属病院 消化器内科), 鈴木 博子(熊本大学医学部附属病院 消化器内科), 山邊 聡(熊本大学医学部附属病院 消化器内科), 千代永 卓(熊本大学医学部附属病院 消化器内科), 宮本  英明(熊本大学医学部附属病院 消化器内科), 階子 俊平(熊本大学医学部附属病院 消化器内科), 小山 真一郎(熊本大学医学部附属病院 消化器内科), 鴻江 勇和(熊本大学医学部附属病院 消化器内科), 庄野 孝(熊本大学医学部附属病院 消化器内科), 村尾 哲哉(熊本大学医学部附属病院 消化器内科), 直江 秀昭(熊本大学医学部附属病院 消化器内科), 佐々木 裕(熊本大学医学部附属病院 消化器内科)
抄録 【目的】カプセル内視鏡検査が登場してから原因不明の消化管出血:Obscure gastrointenstinal bleeding (OGIB)に対する原因検索が可能となった。OGIBの精査目的に当院で施行されたカプセル内視鏡検査60例について、臨床的な解析を行った。【方法】当院において2011年6月から2013年7月までに施行されたカプセル内視鏡検査について、臨床背景、内視鏡所見、小腸バルーン内視鏡検査所見などについて検討した。【結果】対象となった症例は、男性40例、女性20例で、平均年齢は63.9歳であった。基礎疾患としては肝疾患5例、心疾患5例、慢性腎不全2例であり、抗血栓薬内服16例、NSAIDs内服3例、ソラフェニブ内服1例であった。有所見症例は27症例(45%)で、内訳はびらん・潰瘍10例、血管性病変4例、腫瘍・ポリープ3例、出血源不明の出血3例等であった。2例で全小腸の観察が不可能であった。60例のうち小腸バルーン内視鏡検査を施行したのは14例あり、そのうち9例はカプセル内視鏡検査の所見をもとに、経口もしくは経肛門的アプローチを行った。14例中有所見は8例で、腫瘍・ポリープ3例、びらん・潰瘍3例、血管性病変2例であった。60例のうちPatency capsuleを使用したのは3例で、腸切除後が1例、複数回の開腹歴が1例、クローン病が1例であり、すべて開通性ありと判断された。60例すべての症例に滞留等の合併症は認めなかった。【結論】小腸カプセル内視鏡は低侵襲で合併症が少なく安全に施行可能であり、スクリーニング検査として優れている事が証明された。また、内視鏡診断・治療の補助診断としても有用で、小腸バルーン内視鏡の挿入経路の決定にも役立つものである。今後、Patency capsuleの積極的な導入により、対象が拡大し、より安全にカプセル内視鏡検査を施行しうることが期待される。
索引用語 カプセル内視鏡, OGIB