セッション情報 |
専修医発表(卒後3-5年)
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タイトル |
専52:テラプレビル3剤併用療法中に敗血症を発症し治療中断したが、SVRを達成した1例
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演者 |
大園 芳範(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野) |
共同演者 |
山田 優里(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 土持 舞衣(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 岩切 久芳(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 蓮池 悟(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野), 永田 賢治(宮崎大学医学部附属病院肝疾患センター), 下田 和哉(宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野DELIMITER宮崎大学医学部附属病院肝疾患センター) |
抄録 |
【症例】63歳 女性 【主訴】発熱 【生活歴】飲酒歴なし、喫煙歴なし、アレルギーなし、輸血歴なし【既往歴】17歳時に虫垂切除術【現病歴】2012年6月上旬からC型慢性肝炎に対してテラプレビル(TVR) 3剤併用療法を開始されていた。治療開始4週目にHCV RNAが未検出となりRVRを達成。経過中に有意な副作用の出現もなく治療を継続していた。7月中旬に7本目のPEG-IFNを注射したところ、同日の夕方から38度以上の発熱が出現し、食事をほとんど摂取できなくなった。その後も改善を認めず当科外来受診。血液検査にて著明な炎症反応上昇とDICを認め、何らかの感染症が疑われた。腹部CTにて右腎の著明な腫大、尿検査にて白血球と潜血を認めたことから急性腎盂腎炎と診断し、当科緊急入院となった。【入院時所見】眼瞼結膜:貧血なし、眼球結膜:黄疸なし、肝脾:触知せず、CVA叩打痛:なし、下腿浮腫:軽度、WBC 5000/μl、Hb 7.9g/dl、Plt 2.0万/μl、AST 39IU/L、ALT 33IU/L、LDH 313IU/L、T.Bil 3.1mg/dl、D.Bil 2.2mg/dl、PT-INR 0.88、Fib 567mg/dl、CRP 20.44mg/dl、PCT 6.40ng/ml、FDP 21.8μg/ml 【臨床経過】入院日からリバビリンとTVRの投与を中止した。また、同日から急性腎盂腎炎に対してセフトリアキソン、DICに対してトロンボモジュリン製剤の投与を開始したところ、徐々に発熱と炎症反応の改善を認めた。入院日に採取した血液培養と尿培養からともにE.coliが検出され、急性腎盂腎炎の起炎菌と確定した。炎症反応と症状の改善、血液培養・尿培養の再検査で菌の陰性化を確認し、2週間後に抗生剤の投与を終了した。その後も発熱、炎症反応出現なく経過し、入院20日後に近医へ転院となった。転院後も定期的に採血が行われたが、HCV RNAは未検出で経過し、3剤併用療法中止から6か月後の2013年1月下旬にSVRが達成された。【結語】TVR3剤併用療法後に敗血症およびDICを発症し、6週目に治療を中断したが、最終的にSVRを達成した症例を経験したので報告する。 |
索引用語 |
テラプレビル, 敗血症 |