セッション情報 | ワークショップ4「炎症性腸疾患 最近の治療」 |
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タイトル | WS4-01:潰瘍性大腸炎に対するinfliximabの有効性および安全性の検討 |
演者 | 夏田 朱一郎(宮崎大学医学部内科学講座 消化器血液学分野) |
共同演者 | 山本 章二朗(宮崎大学医学部内科学講座 消化器血液学分野), 三池 忠(宮崎大学医学部内科学講座 消化器血液学分野), 鈴木 翔(宮崎大学医学部内科学講座 消化器血液学分野), 上原 なつみ(宮崎大学医学部内科学講座 消化器血液学分野), 竹田 幸子(宮崎大学医学部内科学講座 消化器血液学分野), 宮原 晶子(宮崎大学医学部内科学講座 消化器血液学分野), 坂口 舞(宮崎大学医学部内科学講座 消化器血液学分野), 橋本 神奈(宮崎大学医学部内科学講座 消化器血液学分野), 山路 卓巳(宮崎大学医学部内科学講座 消化器血液学分野), 安倍 弘生(宮崎大学医学部内科学講座 消化器血液学分野), 柴田 直哉(いきめ大腸肛門外科内科), 田原 良博(宮崎大学医学部内科学講座 消化器血液学分野), 下田 和哉(宮崎大学医学部内科学講座 消化器血液学分野) |
抄録 | 【目的】潰瘍性大腸炎(UC)に対するinfliximab(IFX)の有効性と安全性について検討する。【対象】2010年1月から2013年7月までに当科、関連施設でIFXによる治療を行ったUCは29例で、今回IFX治療開始後半年以上経過した22例を対象とした。IFXは、5mg/kg/回を0、2、6週に点滴静注し、以後約8週毎に投与した。対象の内訳は、発症時年齢(中央値):34歳(10~88歳)、IFX投与時年齢:53歳(12~89歳)、男女比は11:11、病変部位は全大腸炎型:左側大腸炎型=16:6、臨床経過は初回発作型:再燃寛解型:慢性持続型=2:16:4、投与前の臨床的重症度は重症:中等症=5:17であった。IFX投与前の治療は、ステロイド:11例(50%)、5-ASA製剤:21例(95.5%)、免疫調節剤:10例(45.5%)、血球成分除去療法:7例で(31.8%)あった。IFX開始後、UCの増悪により、IFX増量や投与間隔の短縮を要した場合、ステロイド(PSL)・タクロリムス・血球成分除去療法(CAP)の治療を行った場合、外科的手術を行った場合、を再燃と定義し、IFX投与開始から半年後の再燃率と安全性を調査した。【結果】1. IFX開始半年後までに5例(22.7%)は有害事象のため、投与中止となった。2. IFX開始半年後の非再燃率は、76.5%(13/17)であった。3. 再燃例と非再燃例では臨床項目において有意な差はなかった。4. 再燃した4例中、2例は追加治療(1例:PSL、1例:CAP)、1例はタクロリムスへの変更で寛解に至ったが、1例は手術となった。5. 半年時に再燃しなかった13例は、IFX継続投与でいずれも寛解を維持していた(IFX投与期間:7~36カ月)。6. 中止になった5例の有害事象の内訳は、肺炎、肝機能障害、真菌感染症、皮疹・息苦しさ、乾癬といずれも異なっていた。7. 有害事象のため、中止した5例中4例でUCの再燃を認め、うち2例は外科的手術となった。【結語】前治療抵抗性のUCに対するIFXの有効性は、半年で76.5%であり、半年後に有効が維持できている症例では、その後の経過は良好であった。また有害事象のため、22.7%がIFX中止となっており、中止例は高率に再燃しており、注意深く経過を追う必要があると考えられた。 |
索引用語 | 潰瘍性大腸炎, infliximab |